ゝ・参 ページ40
「……全部、僕のせいじゃないか。里香ちゃんをあんな姿にして、たくさんの人を傷つけて、僕が夏油に狙われたせいで、皆が死にかけた。全部っ……全部僕が……!」
憂太は泣き崩れた。憂太もまた、どうしようもなく優しい子なのだった。だからそんなふうに落ち込んで、自責の念に駆られるだろうことも、私にはなんとなく予想がついていて。
でも、そんなことを思っている人は、この場には誰もいない。
里香の細く白い腕が、そう伝えるかのように優しく憂太を抱き締めた。
「憂太、ありがとう」
時間もくれて、ずっと側においてくれて。
「里香はこの六年が、生きてる時より幸せだったよ」
里香の声はどこまでも慈愛に満ちていて、まるで二人が絵画の世界にでもいるみたいで。私は目を細めてそれを見つめた。
二人の間にはうつくしい愛があった。私は再三思う。愛とは、なんてうつくしい呪いなのだろう、と。
「バイバイ、元気でね。あんまり早くこっちに来ちゃダメだよ?」
「……うん」
里香と憂太は、お別れをした。本当のお別れだった。きらきらと星のような光に包まれながら、里香の身体が透けていく。
きれいだなあ、と見ていると、不意に里香が「あ!」と声を上げる。なんだ?と見れば、何故だか里香は私を見ていて。
「生まれ変わったら、里香と憂太の結婚式、絶対呼んであげる!だからブーケ、ちゃんとキャッチしてね!」
……それはきっと呪いだった。のろいと書いて、まじないと読むやつだ。私は笑って頷いて、「またね、里香ちゃん」と手を振った。
里香は笑って逝った。私は、思いを馳せる。ウエディングドレスに身を包む、美しく成長した里香に。
きっと来世で、君たちがもっと幸せになれますように。
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雛(プロフ) - ひゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!さいこう!!!すき!!!続きぃぃぃぃ!!! (2021年9月25日 2時) (レス) @page42 id: 6c5f13dd95 (このIDを非表示/違反報告)
シナト(プロフ) - 面白かったです!!もうストーリーが好きすぎます!!! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 8c8daaf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - わぱー!!!あっもう、はぁーーーーーん!!!すきです!!!!!!!情緒が反復横跳び!!!!!!!!!!!! (2021年3月3日 10時) (レス) id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 63:927393さん» 続編です!!!ありがとうございます!!!!私もコメント励みになります好きです!!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 鈴さん» 喜んでいただけて何よりです!!!ありがとうございます!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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