ゝ・弐 ページ28
十二月に突入した。冬用の制服はぬくいが、そろそろマフラーが無いとキツい季節だ。私の目線の先にいる真希と憂太、棘とパンダも例に漏れず、マフラーを巻いている。しかしパンダはマフラーいるんだろうか。
まあ私今屋内なんですけどね。
と、いうのも。私は窓の外から、悟と夜蛾先生に目を移す。
「未だ夏油の動向は掴めん。やはりお前とAの杞憂じゃないのか?」
「学長、残念ながらそれは有り得ないです」
そう、夜蛾先生に報告しに来たのだ。私も悟も夜蛾先生も皆が皆多忙なので、今日まで時間が取れなかったのだった。
「直接現場を確認しました。僕が傑の呪力の残穢を、間違えるわけないでしょ」
そうだね。君らニコイチだったもんね。私も申し訳程度にうんうんと頷いておいた。
ふと、夜蛾先生が顔を顰める。
「ガッデム!噂をすればだ、校内の準一級以上の術師を正面ロータリーに集めろ!」
私もそれを察知した。窓の外に目をやると、大きな鳥型の呪いがふわりと着地したところだった。
その横にいる男。窓に張り付くようにして見る。間違いない──傑だ!
「悟、夜蛾先生、私先行くからね!」
否も応も聞かずに私は窓を開け、ひらりと窓枠を飛び越えた。
アッここ四階だった!
あっぶね。傑が来たのにびっくりしすぎて、自分のいるとこが何階かってことまで頭からぶっ飛んじゃってたわ。
これは着地する云々ではなく骨がイカれる。すかさず私は『韋駄天』を使い、とりあえずパンダのところに飛んだ。
パンダには夜蛾先生の手によってポータルが埋め込まれている。だから私はいつでもどこでもパンダのところにワープできる。パンダは呪骸なので、入浴中とかトイレ中とか気にしなくていいのである。楽ゥ!
「!A!」
とか考えてる間にあっという間に六秒経って、私はパンダの目の前に着地する。
私の目前には、憂太の肩に腕を回した傑の姿。
皆が私の名前を呼ぶのも構わずに、私は目の前でぱちぱちと目を瞬かせる傑に向かって──……
「傑〜〜!!!」
それはもう思いっきり、抱きついた。
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雛(プロフ) - ひゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!さいこう!!!すき!!!続きぃぃぃぃ!!! (2021年9月25日 2時) (レス) @page42 id: 6c5f13dd95 (このIDを非表示/違反報告)
シナト(プロフ) - 面白かったです!!もうストーリーが好きすぎます!!! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 8c8daaf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - わぱー!!!あっもう、はぁーーーーーん!!!すきです!!!!!!!情緒が反復横跳び!!!!!!!!!!!! (2021年3月3日 10時) (レス) id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 63:927393さん» 続編です!!!ありがとうございます!!!!私もコメント励みになります好きです!!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 鈴さん» 喜んでいただけて何よりです!!!ありがとうございます!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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