ゝ・弐 ページ17
「さぁ、これで一年も五人になったね。午後の呪術実習は2-2のペアでやるよ」
他己紹介も一段落して、今度は悟がそんなことを言い出した。
あ?2-2……?それ一人余るのでは?
「あ、Aは僕と待機」
「ええ何故!?」
「だってお前強すぎるもん、皆の実習になんないよ」
ええ〜そんな〜。ほら憂太が絶望的な顔してるよ。私と当たればまだマシだって思ってくれてた顔だよ。
クッ……私が強すぎるばかりに……!ごめんな憂太……!
「まあ正直Aは実習とか要らんだろうしな」
「しゃけしゃけ」
「十年以上呪術師やってるからなコイツ」
いやそれは私も薄々思ってたよ。何回聞いたかも分からんような授業やら基礎やら言われても「今更〜」って思っちゃうし。
さて、私を差し引いて四人。悟の独断と偏見により、真希と憂太、棘とパンダがそれぞれペアになった。
真希は超嫌そうだった。露骨に嫌そうだった。なんなら「げっ」て言ってた。憂太が可哀想だろ真希。
「よ……よろしくお願いします」
あからさまに嫌がられてるのに律儀に挨拶する憂太、善だね本当に。
対する真希は眉間に皺ギチギチのまま憂太を一瞥する。
「お前虐められてたろ」
ぴしり、と固まる憂太。「図星か」と真希。
「分かるわぁ、私でも虐める。呪いのせいか?“善人です”ってセルフプロデュースが顔に出てるぞ、気持ち悪ィ」
真希、容赦ねえ。止めよっかな〜、どうしよっかな。里香ちゃんさえ出てこないなら別に良いんだけどな、私。
「なんで守られてるくせに被害社ヅラしてんだよ。ずっと受け身で生きてきたんだろ。なんの目的もなくやってるほど呪術高専は甘くねぇぞ」
……言ってることは正論なんだけど、如何せん言葉がキツいよなあ、真希は。
「真希それくらいにしろ!」
そろそろかなあと私が場を見ていると、私より先にパンダが止めた。
「おかか!」
棘も真希を窘めている。二人にそうやって咎められた真希は、「わーったよ、うるせぇな」と言って私の方にやってきた。
「真希はストレートだからねえ、良くも悪くも」
「すまんな、アイツは少々他人を理解した気になるところがある」
フォローになってない私のフォローと、パンダの的確なフォローを受け、憂太はそれでも「いや」と言った。
「本当のことだから」
どこか諦めを孕んだ声だった。
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雛(プロフ) - ひゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!さいこう!!!すき!!!続きぃぃぃぃ!!! (2021年9月25日 2時) (レス) @page42 id: 6c5f13dd95 (このIDを非表示/違反報告)
シナト(プロフ) - 面白かったです!!もうストーリーが好きすぎます!!! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 8c8daaf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - わぱー!!!あっもう、はぁーーーーーん!!!すきです!!!!!!!情緒が反復横跳び!!!!!!!!!!!! (2021年3月3日 10時) (レス) id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 63:927393さん» 続編です!!!ありがとうございます!!!!私もコメント励みになります好きです!!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 鈴さん» 喜んでいただけて何よりです!!!ありがとうございます!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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