ゝ･陸 ページ6
車に揺られて数時間。私と燕はモリモリした森の中に降ろされた。
えっ？姥捨山？と考えたのも束の間、燕が手際良く私の荷物(とはいえ着替えと日用品が少しくらいなので少ない)を運び出して私に先を促すので、あ、多分そういうのではないなと考えて指し示されるまま先を歩く。
からころと底の厚い下駄を鳴らしながら、燕と歩くこと十数分。多くの寺院やら仏閣やらを横目に見流していると、一際大きい建物に着いた。
その前で待っているイカつい男性になんだか既視感を覚えて首を捻る。ん？なんかどっかで見たなあ、誰だ……？
「扇一Aだな」
低めの声でそう問い掛けられ、半分ビビりながらも静かに頷く。私を知っていることとか、威圧感こそあれど敵意は無いことから、多分私の案内人的なアレなんだろう。
「ようこそ、呪術高専へ。今日からお前の担任を務める夜蛾正道だ」
アレ〜担任だった。
……え？ん？夜蛾？私はハイスピードで思考を巡らせる。夜蛾、夜蛾、そんでもって、呪術高専？……そしてふと脳内に浮上する某漫画。
原作十数年前、GLG五条悟の担任教師として高専に勤めていたころの、あの夜蛾正道。私はその彼と、目の前のその男がぴったり一致する事に気が付いてしまったのだ。
そしてここは、彼曰く呪術高専──呪術高等専門学校東京校、そこであるという。
これがTRPGだったらSAN値チェック入ってたところである。私はぱちぱちと目を瞬かせて、挨拶がまだだったことを思い出してはっと居住まいを正した。
何はともあれまずは挨拶から。これからお世話になるに変わりはない。考えるのはあとからいくらでもできる。
「扇一Aと申します。こちらは私の付き人の燕です。よろしくお願いします」
私ができる限り丁寧な礼をすると、燕もそれに倣う。世話係でなく付き人と表したのはなんとなくだ。そっちの方がなんか名家のお嬢さんっぽいので。
「……四歳だと聞いてたが？」
「左様にございます。A様は扇一家にて義務教育終了相当の教育を施されていらっしゃるので」
マジかよ扇一家、四歳児にそこまでさせたの？四年で？やべえよ扇一家。
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ニノ崎(プロフ) - めっちゃ面白いです，，，好みドストライクです！これからも応援しております。後，伍話目の美美美ー美・美ー美美ってまさか某マルハーゲ帝国()のパロですか() (2021年3月2日 18時) (
レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - みもなるーと。さん» 丁寧なご感想たいへん嬉しいです、ありがとうございます！燕は扇一の自立に必要な犠牲だったのでちょっと……ね……これから扇一夢主、ガンガン男前に磨きがかかって参りますので何卒お楽しみ頂ければ幸いです！ (2021年2月26日 19時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - なんだかクソデカ感情を向けてしまった（？）夢主に恋してしまうかと思ってしまいましたね… 最近は天候が崩れやすいのでお体に気をつけて無理せず頑張ったくださいチュチュ… (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - な、なんだこの小説は今まで生きてきた私へのご褒美かご褒美なのか。夢主のどこか達観した想像力などに惹かれました。燕さん私の推しだったのに食べちゃいましたね…やはり愛とは、呪いなのかしらと再認識できた気がします。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 43yomi1さん» ありがとうございます〜〜！！！更新頑張ります！！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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