少女へ至るプロローグ・壱 ページ45
以上が私・扇一Aの半生である。現在……何歳だっけ、十二だっけ十三だっけ?その辺だ。
私は今元気に社畜人生を謳歌している。なんと言っても一級術師なのでなかなか多忙だ。ここ数年は特に多忙かもしれない。忙しいことが半ば楽しくなってきているのでそろそろワーホリ認定されそうだ。
高専談話室の机に資料を広げ、右手で始末書のデータ入力左手で補助監督にメール、どっちかが終わったらすかさずコーヒーでカフェインを摂取。慣れたものである。
「A、ちゃんと寝てる?」
「あ゙雄゙ぐん゙」
「声が凄いことになってるよ」
おっと失敬。二、三度咳き込んでコーヒーで喉を湿す。……カフェインは喉に良くないんだっけ。意味無いかもしれん。
こないだ高専の教師になって戻ってきた雄くんは、なんだか随分私に対して世話焼きである。妹だと思われてんだろうか。
「寝起きだったの」
「……昨日帰ってきたの何時だっけ?」
「三時とかかな」
「寝たのは?」
「……五時とかかなあ……」
なお現在の時間は7時30分である。二時間寝てる。偉いぞ私、と私が再びPCと向き合えば、雄くんによってそれは阻止された。
猫のごとく羽交い締めにされた私はじたばた暴れて抵抗を試みる。
「は〜な〜せ〜〜!!」
「駄目だろA、ちゃんと寝なきゃ!せめて七時間!育ち盛りなのにそんな不規則な生活送ってたら大きくなれないよ!」
「これ以上成長しませんけど〜〜!!」
私の体は十八歳から二十歳ほどまで成長して、そこからしばらく止まっている。どうやらここが成長のピークであるらしい。
てことは、ここからは老化の一途を辿るわけか。そう考えると虚しいな。
「こないだからAが休み取ってるの見たことないって伊地知も言ってた!」
「伊地知くんに言われたくねえ!!」
伊地知くんもなかなかのワーホリだが!?すぐ無理するしあの子!!もう目線が親のそれである。
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ニノ崎(プロフ) - めっちゃ面白いです,,,好みドストライクです!これからも応援しております。後,伍話目の美美美ー美・美ー美美ってまさか某マルハーゲ帝国()のパロですか() (2021年3月2日 18時) (レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - みもなるーと。さん» 丁寧なご感想たいへん嬉しいです、ありがとうございます!燕は扇一の自立に必要な犠牲だったのでちょっと……ね……これから扇一夢主、ガンガン男前に磨きがかかって参りますので何卒お楽しみ頂ければ幸いです! (2021年2月26日 19時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - なんだかクソデカ感情を向けてしまった(?)夢主に恋してしまうかと思ってしまいましたね… 最近は天候が崩れやすいのでお体に気をつけて無理せず頑張ったくださいチュチュ… (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - な、なんだこの小説は今まで生きてきた私へのご褒美かご褒美なのか。夢主のどこか達観した想像力などに惹かれました。燕さん私の推しだったのに食べちゃいましたね…やはり愛とは、呪いなのかしらと再認識できた気がします。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 43yomi1さん» ありがとうございます〜〜!!!更新頑張ります!! (2021年2月26日 16時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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