ゝ･拾弐 ページ12
しかし、そこまでだった。突如じわり、と「校舎が沈んだ」。
んお？あれ？と思ったのも束の間、校舎はどんどん音もなく傾いていく。呪霊たちも戸惑うかのように周囲を見渡している。
視界がどんどん下がっていく。見れば地面は黒い穴を開け、校舎の三分の二を既に飲み込んでいる。
やべえこれ呪霊の技かな。死ぬか！？畜生万事休す──などと思っていたら私だけ何故か穴の上に着地した。
穴の上に着地ってのも変な話だが本当に着地しているのだった。私がスペキャ顔かます間にも呪霊たちを乗せた校舎はそのまま穴の底へと落ちていき、やがて穴は閉じられる。
あ？今度は口の中がマ○クのポテトみてえな味するな？
ということは、と行き着いて、私は首を捻った。私はがやったのかこれは。下駄を履きながら土台だけ残った校舎を見つめ、ふと気付く。あれ？コレ私器物損壊？
状況の半分も飲み込めない。情報がいつまでも完結しない……！セルフ無量空処である。
「お見事です、お嬢さん」
「燕！」
「しかしやはり些か手荒でいらっしゃる。呪術師は一人だけではなく、チームを組んで行動するものですから、他者がいても大丈夫な使い方を致しましょうね」
なるほどね、過去の私もこんな感じの雑な祓い方をしてたのね。そら燕も着いてきたくないわ。
私は適当に頷きながら、「これ弁償かな」と呟く。燕は苦笑いしながら首を振った。あ、大丈夫なの？じゃあいいや。
しかし、と私は少し目を伏せた。一人で行動するもんじゃないと言われてもなあ。それは、だって、Aは。
「私は、誰かとする任務を知らないからなあ」
ぽつ、と。その呟きは唇から漏れてしまった。目を微かに見開いた燕は、少しだけ眉尻を下げ、「そうですね」と言った。
「……皆の元へ戻りましょうか。そろそろ夕飯時ですよ」
燕の促すままに、私は校舎に背を向けた。今日の夕飯はなんだろう。実家じゃ和食しか食ってこなかったから洋食がいいな。
……あれ？そういや一級呪霊、居たか？ああ、校舎ごと飲み込んじゃったから姿見てすらいないのか。チート過ぎるぜ私……
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ニノ崎(プロフ) - めっちゃ面白いです，，，好みドストライクです！これからも応援しております。後，伍話目の美美美ー美・美ー美美ってまさか某マルハーゲ帝国()のパロですか() (2021年3月2日 18時) (
レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - みもなるーと。さん» 丁寧なご感想たいへん嬉しいです、ありがとうございます！燕は扇一の自立に必要な犠牲だったのでちょっと……ね……これから扇一夢主、ガンガン男前に磨きがかかって参りますので何卒お楽しみ頂ければ幸いです！ (2021年2月26日 19時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - なんだかクソデカ感情を向けてしまった（？）夢主に恋してしまうかと思ってしまいましたね… 最近は天候が崩れやすいのでお体に気をつけて無理せず頑張ったくださいチュチュ… (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - な、なんだこの小説は今まで生きてきた私へのご褒美かご褒美なのか。夢主のどこか達観した想像力などに惹かれました。燕さん私の推しだったのに食べちゃいましたね…やはり愛とは、呪いなのかしらと再認識できた気がします。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 43yomi1さん» ありがとうございます〜〜！！！更新頑張ります！！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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