呪霊食べる系幼女に転生しちまったんだが【呪術廻戦】

ゝ･拾壱 ページ11

ガクブルしながら校舎を進む。道中襲いかかってきた呪霊を引き連れながらである。


いや無理無理無理。超無理。私は着物の裾を振り乱しながら校舎を全力疾走していた。なお下駄は脱いで左手に持っている。


めちゃくちゃ怖いぞ！ｳｩﾜｯなんか飛んできたがァ！？必死で攻撃を回避しながら階段を駆け上がる。


なお道中、肝試しに来ていた若者たちのものらしき血痕があったが見なかったことにした。ここでSAN値チェック失敗したらもう死亡フラグしかないのだ。


「おオ、おおオかえりナさぁあ」


ここは私の家じゃねえ！！！！


呪いの妄言に心の中で突っ込みながらも走る足は止めない。ていうか私の体、凄いな！！もう三階分くらい駆け上がったけど全然息切れしてないが！？


いやしかし背後の呪霊はバンバカ増えていく一方だがね！！


必死で走り、逃げ、登って、とうとう屋上に出た。


やっべ、逃げ場がねえ。


ひくつく顔、嫌な予感。私を追いかけてきていた呪霊は、ニタニタと笑いながら私を追い詰める。


えーとえーとえーと、どうすりゃいいんだ？私は必死で記憶を掘り返した。「A」の記憶は酷く薄い。「私」の自我がバカクソに濃いせいだ。なんてったってAは四歳で私は二十歳そこらである。年季がちげえ！


しかしAの記憶はまあ酷い。連日に渡る厳しすぎる呪術の修行と任務と勉学の記憶が大多数、微かに穏やかであれたのがお母さんとのひと時だけときた。


いや今お母さんとの美しい日々の思い出どうでもいいから！！！えーとえーと呪術の良さげななんかえーと。


「あっあっあたためますかぁあ」


呪霊うるせえ！えーとうーんとなんか使えそうな技一網打尽に出来そうなやつなんか「ぷりぃいん、たべたぁああ？」


「だからさっきっからうるっっっせえなァ！？」


A、キレる！さっきからマジでうるせえのである。考えてんだよ私は！黙ってろ呪霊！もう慣れてきてしまっているのであった。順応性が凄すぎるぜ私！

ゝ･拾弐→←ゝ･拾

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す