訓練されたオタクほど冷静 ページ2
課題、課題、ときおり実習、それから課題の日々。大学生ってのは基本、総じてそういうもんである。
思てたんと違う、と思った時もあった。私近代文学がやりたくて大学入ったのになんで古典やらなきゃいけないんだ。単位の為です。え？単位取るために大学入った訳じゃないんですがそれは。
まあごちゃごちゃ言おうが入っちゃったもんは仕方ないのであった。奨学金も借りてるし就職後の給料も気になる。そんなこんなで、半ば惰性で大学に通っていた、そんな二十歳のある日。
どうやらなぜだか、私の人生はそこで終わってしまったらしく。
というのも、だ。
「おめでとうございます！元気な女の子ですよ〜！」
「ｵｷﾞｬｰｯ！！？！？？」
はい、こういう事なんですね。
急に明るくなった視界とか物理的に痛い頭とかへそらへんとかが、その事実を物語っている。
霞む視界には涙ぐむ……これ誰だ。外国人ぽい女性だ。金髪に緑色の瞳の、とんでもなくきれいな人。彼女が私を抱き、「よかった」と震える声で呟くのを聞く。
……ね、こういう事なんですよ。「生まれた」んですよ、私は、今。
幸いなことに(？)私はガチのオタクで、腐も姫も夢も嗜んでたような女だった。故に、何度もこういう状況を夢小説で見た事がある。いわゆる転生モノだ。
近頃じゃなろう系でも流行ってたな、転生モノ。誕生からスタートはなかなか無かったけれども。
まあ、そんな事情があるので状況把握は早かった。
成程、私死んだのか。寝てる間に死んだっていうのは、まあ普通よりはいい死に方をしたのかなと思う。痛い思いも苦しい思いもしなかった。
奨学金ってどうなるんだっけ、該当者が死んでたら無効になるんだっけ？そうであることを願う。死後まで親に迷惑かけるとか嫌すぎる。
さて見知らぬ美女に背を撫でられながら、正しく生まれたままの姿の私は咽び泣く。未練は多い。後悔も多い。好きなアニメの二期も、追ってた漫画の続編も、好きな実況者のグッズだってまだ届いちゃいなかった。
畜生！せめて実物拝ませて欲しかった。あと推しのCVも知りたかった。
赤ん坊で良いことは、どれだけ泣いたって誰も咎めないところだなと思った。それが生後数時間、私が「鯨吉桐」として生を受けた瞬間だった。
オタク、自らの可能性に気付く→←設定(クソ長)(ふんだんに含まれるネタバレ)
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ももこ - めっちゃおもしろかったです！文才過ぎてガチ小説読んでるみたいでした！ (11月9日 18時) (
レス) @page20 id: 1bc8f0fbc1 (このIDを非表示/違反報告)
癒し系猫(プロフ) - 名前変換は出来ないのでしょうか? (5月29日 21時) (レス) @page1 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - あやめさん» ｵﾜﾜ〜〜〜〜ありがとうございます〜〜〜〜！！！！ (2020年12月12日 20時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！これからどうなるのか楽しみです！！！更新楽しみに待ってます！！！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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