こんにちは、やさしい世界ぱーとつー！【HUNTER×HUNTER】 (ページ28)

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多重人格って暇しなくていいよね(個人の見解) ページ28

「ウイングさん！」

ゴンへのお説教が終わった後。私は帰ろうとするウイングさんを追っていた。

というのも無論具現化の念のアレをアレするためだ。つまりなんだって？だから…アレだよ…(語彙力)

「おや、Aさん。どうしました？」

呼び留めればすぐに振り向いてくれるウイングさん。ありがてえ。

私は早々に追いついて、本題を切り出す。

「＿＿＿具現化系の念を作ろうと思うんです」

ウイングさんはぱちくりと目を瞬かせた。どうやら言葉が足りなかったらしい。私は「どんなのにするか悩んでまして」と付け足した。

それで理解してもらえたらしい。ウイングさんは合点がいったように頷く。

「Aさんは具現化系能力者だったのですね」

「あ、いや、私は放出系なんです。弟(？)が具現化系で」

「ああ、成程。…それにしては、まるで貴方が作るような口ぶりですね？」

おええ、鋭い。まあ隠すことでもないんだけど…

私は頭の中でちらりとライラを気にした。すると彼女はけたけたと笑いながら、

《隠してた方がミステリアスで面白いじゃない！》

なんてほざきやがる。まあ気持ちは分かるから隠す方向でいこうかな。

「弟はそういうの苦手で、案を出すように頼まれちゃって」

それっぽい言い訳も大分上手くなった気がする。

ウイングさんは納得してくれたらしく、ああ、と頷いていた。

「そうですね…具現化…

ああ、昔珍しいタイプにあった事がありましてね」

「珍しいタイプ？」

なんだそれ、知らない話だ。原作にもなかったような気がする。

私は興味を隠そうともせず話の続きを待つ。

ウイングさんはそれをちょっと可笑しそうに笑いながら続けた。

「彼は二重人格でしてね。もう1人を切り離すために、その人格の体を念で作ってたんです」

＿＿＿＿それやん。

私はことのほかあっさり見つかった糸口に割と驚いた。

多重人格みたいなもんじゃん私。

それに体を作る、それはつまり外界に触れることのなかった彼らにも、世界を与えることが出来るということだ。

これは早速、考えなくちゃ。

「ありがとうございますウイングさん！思いつきました！」

「いえいえ、お役に立てて何よりです」

私は逸る気持ちを抑えつつ、自室への歩を進めた。