銀盤にて踊るは蝶の如し【ユーリ!!! on ICE】

心の外 ページ15

「レシャはヴィクトルが好きなのかっ！？」

「…はぁ？」



姉達が去った日の夕方。

風呂上がりの私に凄い剣幕でユーリが突っかかってきた。


しかも何かと思えば「ヴィクトルが好きなのか」？


いやいやいや。



「なんで私がヴィクトルを好きだと思ったの」

「だ、だってヴィクトルが、「レシャは昔から俺について回ってた」って」

「いやなんでそれで好きだと思ったの…？
それは、ヤコフに頼まれたからだよ」

「…は？ヤコフに？」

「ウン、「あいつは一人にすると何をするか分からないから」って」



曰く、「お前の方が絶対しっかりしている」。


てかしかもそれ九年くらい前の話だけど。



「まあ、どっちかって言うとお兄ちゃんみたいな感じかな」

「そ、…そう、なのか」

「うん。安心した？」

「ばっ…！！してねえよ！！」



ユーリは顔を真っ赤にした。うん分かりやすい。


何となく頭を撫で撫でしてみた。


うん、相変わらずさらっさら。



「私、君の髪の毛好きだよ」

「はっ…！？」

「さらさらしてて綺麗な金髪。
私のと色は似てるけど、質感が違うなあ」



私の髪はこう…もふっとしてる。

一本一本は細いんだけど、癖でふわふわしてしまうから。


ユーリみたいなストレートは羨ましい。



「…嬉しい？」

「べっ、つに、」

「嬉しくない？」

「んな事言ってねえよ！」

「嬉しいんだ」

「なっ…」

「ふふふ」

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