狼達に睨まれた兎【文スト】

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「え、でも今のは完全に戻ってくる流れでしたよね･･･？」


「いやいやAちゃんそんなのこの太宰さんが許さないからね。」



「何故だ？なにか理由があるのか？」




「え、あー･･･」



理由なんて言えるはずがない。

探偵社を巻き込まないために此処を去ったのに、本当の事を言ったら優しい皆は私を助けようとするだろう。



どうやって言い逃れれば―――――――




「手前らみてーな平和ボケした奴等よりも、俺らポートマフィアの方が頼りになるってことだよ。」


「なっ！？」


「うーわ。最っ悪。」


「ポートマフィアかっ！」



独特な帽子に外套をなびかせて、敵の拠点へとやって来た小柄な救世主。彼が今の上司である、



「中也さん！」




「よぉA。任務にどんだけ時間かけるつもりだ？ぁあ？」





撤回しよう。救世主ではなく悪魔の形相の鬼上司だ。



「おいA手前さっきから失礼なことばっか考えてるだろ？」



「あ、ばれてましたか。」



「嘘でも否定しろよ！」

「はいはいそこまでー。」




無駄に長い両腕を広げて私と中也さんの間に割って入った太宰先輩はまたしても不機嫌。


この二人は昔から仲が悪かったらしいからなぁー



「Aはうちの社員だ。ポートマフィアの部外者はさっさと帰ってくれたまえ。」



「あ？冗談だろ。そいつは俺の部下だ。連れて帰る。」



右手を太宰先輩に、左手を中也さんにガッチリと捕らえられる。



「あーお二人とも落ち着いて

「手前は黙ってろ。」
「Aは黙ってて。」


はい。」
　


なおも睨み合う上司と元先輩を横目に、私が考えていることはただひとつ。









早く帰りたい。

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