80話 ページ9
「私が死んでからのジャン○とか撮り貯めてたアニメ、漫画、ゲームがほしいです!」
拳を握り締めて熱弁するとデメテルさんが吹き出した。
え、解せぬ。
困惑していると
『ごめんなさいね。世界の救世主の望みがこのような回答とは思わなかったので…』
デメテルさんは我慢ができないといい声をあげて笑い出した。
贅沢な望みだと思うんだけどな?
だってもう二度と関わることのできない物を手に入れられるのだよ?
というか頼むから銀○の続きを読ませてください。
そんな私の心の声は置いといて、落ち着いたデメテルさんは咳払いを1つして何度も本当にそれで良いのかと確認をとってきた。
そんなにおかしいお願いしてるのかと不安になってきたんだけど。
『わかりました。そこまで意志が固いのならその望み、叶えましょう。』
折れたデメテルさんは今いるこの空間に自由に出入りして漫画類を読むことができるようにしてくれると約束してくれた。
この世界の人に見られたら駄目だもんね。
これからは毎週月曜日にジ○ンプが読める生活に戻れる!
それにゲームができるって言うのもありがたい。まだG○D EAT○Rクリアしてなかったんだよね。モン○ンもやりたいし。
そわそわしていると
『申し訳ないのですが文ストのコミックは貴女が持っているものまででお願いしますね。』
要するに先にある物語は自分で見極めろと言うことだろう。
これからもこの世界で生きていけるのなら諦めも………コミックでも読みたい……
むず痒くしているとデメテルさんは微笑んで改めて私に向き合って私の手を包むように握る。
『豊穣神デメテルの名の元に富受Aさんの行く末に加護を…』
体の周りが黄色くふわふわとした温かい光に包まれる。
デメテルさんは豊穣神だったんだ。…あれ?
どっかで聞き覚えがあるような?
デメテルさんは手を離すと体が宙を浮いた。
何が起きたのかと慌てると
『時間のようですね。貴女の帰りを待ってる人達がいますから行ってください。』
視界が白んでいく。
『世界を救ってくれてありがとう。私達を助けてくれてありがとう。これからは貴女の幸せな未来を選んで。』
優しく微笑んだデメテルさんに手を伸ばすが届かない。
意思とは関係なく体が引っ張られていく。
そこでまた私は意識が途絶える。
Aを見送ったデメテルはAの去った方向を向いて
『頑張ってね。可愛い私の子孫。』
彼女の声は誰にも届かなかった。
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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時