94話 ページ23
治と別れた後、私は異能力を使って構成員に扮して正面から堂々とポートマフィア本部へと侵入する。
誰かさんのおかげでこの程度のセキュリティなら突破できる。
サングラスをかけた黒髪の青年に変装しているので誰にも気にされず私は中に入れた。
組合戦の前に捕まった時、ついでに中の様子を覗いてから帰ったので中也の執務室らしき場所は目星がついていた。
コンコンとノックをすると入れ、と幹部として威厳のある中也の声が聞こえてきた。
ビンゴ。
口元が緩むのを抑えつつ、私は躊躇いもなく部屋に入る。
「失礼します!お忙しいところ申し訳ございません。どうしても幹部殿のお耳に入れて頂きたい事が…」
書類を纏めていた中也がなんだ、と此方に顔を向けてきた。
私は懐に入っていた銃の焦点を中也に向ける。
中也が戦闘体制に入り重力操作を行おうとするがその前に私は引き金を引く。
パンッと音がして銃口から出てきたのはパーティーグッズでお馴染みの紙テープや紙吹雪だった。
呆気にとられている中也の頭に色とりどりな紙テープが乗っている。
呆けた顔をすかさず写真に撮っていると中也は怒りのあまりこめかみが浮き出てきた。
中「手前…いい度胸してんな…」
掴み掛かってきた中也にカメラを壊されないようにしまいながらケラケラと笑う。
「人生には驚きが必要なのさ。予想し得る出来事だけじゃあ、心が先に死んでいくってある人が言ってた。」
中「うるせーよ!!!!てか発砲音で人が集まってくるだろ!?何してくれてんだ!」
もっともな意見だが人が集まる気配はちっとも無い。
怪訝な顔をする中也に私は
「人なら来ないよ?私の異能力によってこの部屋は存在感を極限まで薄くされている。つまり、周囲から認識されないようになっているのさ。」
"目を隠す"自分や一定の範囲内にいる対象者の存在感を極限まで薄くし、周囲から認識されないようにする事ができる能力。
ま、能力を緩めると、顔も覚えていない他人くらいの認識で認知されるし、ぶつかると能力が解除される。それに能力を使う時に相手が目を離していないと、能力を使ってもその相手には姿が見えたままになるんだけどね。
相変わらず便利だよね私の異能力。
解説をしてると中也は更に怪訝な表情になっていた。
まあ、人が来ると能力解けちゃうし、治との作戦も無事に成功したからそろそろネタばらし。
治と約束してた驚き顔の中也の写真も撮れたし←
私は指をパチンと鳴らす。
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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時