70話 ページ48
先程より一際大きな光の玉が落ちてくる。するとアンシャルが我々の前に手を広げる。
ア「っく……!」
光の玉がアンシャルによって防がれている。ギリギリのところで抵抗しているがもって数分だろう。
敦君がキシャルを抱え、皆は退避の準備をした。
爆撃が襲う。暴風が周囲に荒れ狂い砂埃が舞い上がる。
砂埃から敦君と中也が飛び出す。
アンシャルの文字通り命を賭けて作った隙を使って接近戦を始めようとする。
しかし、歪みは二人の攻撃を避けず受け止めた。二人の拳を受けたまま
『諦めない心?そんなもの己の限界を見極められないだけ。人間は何度も絶望を繰り返す何て憐れで愚かな存在!』
敦「人間はそんなに弱くない!僕たちは何度失敗したとしても何度だって立ち上がれるんだ!」
『ならば証明せよ。この吹き荒れる嵐を越えられぬならいずれは散る運命。見せてもらおう。貴方たちの覚悟を!』
歪みは暴風を吹きならし、二人の腕を掴み下に放り投げる。
下で芥川君が羅生門で二人の足場を作った為、二人は無事に着地する。
空が曇り雷の音が聞こえる。強い風が吹き出し、辺りに不穏な空気が流れ始めると雷の閃光と共に歪みの姿が変貌する。
「此が…奴の正体…!」
姿赤褐色の体をしていて、鳥の翼を持った姿。
3つの目にもつれた髪、髑髏の花輪を身に着けている。
巨体は星々と頭が摩するほどで、その腕は伸ばせば世界の東西の涯にも達しそうだ。腿から上は人間と同じだが、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしている。肩からは百の蛇の頭が生え、火のように輝く目を持ち、炎を吐いた。
『私はお前達人間が歪みと呼び習わす暴嵐の化身。お前達の覚悟、決意、信念、紛い物でないというのなら見せてみよ!』
周囲に炎が燃え盛る。
『摂理に逆らう愚か者め。幾度となく繰り返された破壊と再生からなにも学ばず、摂理に逆らい刃向かう。可能性という妄念に踊らされながらその誤りは偏に人間が弱き存在であるが故。』
芥「地に伏せよ。」
羅生門が歪みに鋭く噛み付くが掠り傷一つつかない。
次々に皆が攻撃を繰り出すが悠々と微風を受けるが如く何事もないように我らの前に佇んでいた。
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甘栗(プロフ) - クレハさん» 私の趣味丸出しです笑。そう言ってもらえて嬉しいです。頑張りますね! (2019年2月26日 15時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ - すごく面白いです!私の好みドンピシャです。更新待ってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 飛鳥さん» いえいえ!お役に立てて良かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 甘栗さん» 教えてくださり、有難うございました! (2019年2月23日 9時) (レス) id: e183043180 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 真昼ノ夜さん» そう言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!! (2019年2月22日 18時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月4日 19時