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68話 ページ46

敦「もう一度あの攻撃をするつもりか!?」

打つ手のない我々は悔しげに宙を見上げる。

ア「…やっとわかったよ。彼女をここに呼び込んだのは君だね。」

全てを理解したアンシャルはキシャルを抱えながら怒りを込めて歪みを睨む。

「どう言う…こと?」

何の話か私とアンシャル以外状況を飲み込めない。

『その通り。お前を前の世界で理不尽に殺したのもこの世界に呼び寄せたのも私だ。』

あまりの衝撃に言葉がでなかった。
そんな私を尻目に歪みは続ける。

『お前と言うイレギュラーが入ることで嫌でも世界は変わる。お前を使ってこの世界を起点に全並行世界を私が支配する。』

「最初から…その為だけに私を呼んだの?」

姿が違うことも忘れて素の状態で話をしてしまった。声は震えて今にも消え入りそうだ。

そんな身勝手な理由で殺されたの?
家族と友達と離ればなれになって、夢だって諦めて…
私は…

心を支えていた最後の糸が千切れた気がした。全身の力が抜けてへなへなと地面に座り込む。
目の光は消えて力なく項垂れた。Aの異常な様子に周りの皆が焦り出す。

中「しっかりしろ!」

中也が肩を掴んで揺らしてくるがAに声は届かない。

自分の存在が何なのかわからなくなって、自分だけ違うっていう不安に陥っていた。

この世界に来てから何時も思っていた。

私だけがイレギュラーな存在で私だけが皆と違う。
何でだろうと考えていたら自分の全てが作り物みたいに思えてきて…
ここにいる皆には皆にしかできない役割がある
でも私だけ違った。
私の役割とはなんだろう。私が来たのは何かの手違いだったのかな…

再起不能な私に皆は戸惑っている。

『人は生きる限り他者との軋轢や衝突に傷つき続ける。そんな辛い現実など見なくていい。思考を放棄すれば楽になれる。そうすれば傷つくことも悩むこともなにもないのだ。』

太「そんなの洗脳と一緒じゃないか。」

『しかしこれは人間が望んだこと。私は救済をしているだけ。』

中「チッ…全部手前の仕業ってことかよ」

『世界の統制だ。私に従えぬ者は異端でありイレギュラーでありエラーでありバグである。』

そこの人間のように─項垂れている私を指してから無数の光の玉を流星の如く落としてくる。
従えない人間等いらないということらしい。
手負いがいるので思うように彼等は戦えない。

中「くっそ、いくらやってもキリがねえ。」

太「ハァハァ、このままじゃまずいね。」

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甘栗(プロフ) - クレハさん» 私の趣味丸出しです笑。そう言ってもらえて嬉しいです。頑張りますね! (2019年2月26日 15時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ - すごく面白いです!私の好みドンピシャです。更新待ってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 飛鳥さん» いえいえ!お役に立てて良かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 甘栗さん» 教えてくださり、有難うございました! (2019年2月23日 9時) (レス) id: e183043180 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 真昼ノ夜さん» そう言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!! (2019年2月22日 18時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月4日 19時

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