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62話 ページ40

キシャルが飛んでいった先には爆弾を仕掛けてにたりと笑う治が待機していた。
轟音が響く。今ので倉庫の半分が吹き飛んでいった。
黒煙が立ち上がる。様子を伺っていると

中「っ!」

太「中也!…っ!?」

上半身の服は焼け焦げ、煤と血で汚れたキシャルがふらつきながらも中也を殴り飛ばし、治を殴り飛ばした。二人はゴム毬のように吹っ飛ばされた。二人のもとに駆けつけようとすると

「がっ…!カハッ」

鳩尾を殴られ呼吸が出来なくなったところを首を捕まれ無理矢理立ち上がらされる。
ヒューヒューと空気の音が漏れる。
苦し気にキシャルを睨み付けると首を強く閉められる。
後ろから中也と治が反撃をするが再び無数の剣が彼等を襲い私の所迄辿り着けない。

キ「消してやる…消してやる…」

目の前で憎悪の塊が蠢いている。辛うじて喋れる私は口を開く。

「…うざいん、だよ…」

キシャルの目がぎょろりと此方を向いた。

「生きている限り…悩みや苦しみ…抗えば傷ついてしまう…そりゃ目をそらしてしまえば楽になれるよ…でもそれは只の現実逃避だ…」

途切れ途切れに言葉を紡ぐ。

「例えあんたの憎しみが強いからって…誰かの幸せを奪って良い訳じゃない!」

キ「黙れぇぇぇえええ!!」

私が吠えるとキシャルは拳を振り上げた。痛みに耐えるため目を固く閉じると

ア「そこまでだ。」

アンシャルがキシャルの拳を掴みキシャルを拘束した。
首から手が離れたことにより空気が体に送り込まれる。ゲホゴホと咳き込んだ。
刃物の切り傷と吹き飛ばされたときの怪我を庇う治と中也がやって来た。
二人はアンシャルに警戒している。

ア「待たせて悪かったね。準備に手間取っちゃって?」

「遅い。ムカつく。」

ア「辛辣!」

アンシャルはキシャルを光の縄のようなもので押さえつけた。

ア「これで神力による剣を出すことはできない。」

地に伏せたキシャルはアンシャルを睨み付けて立ち上がろうともがいている。

キ「アンシャルゥゥゥ!」

憎悪の対象はアンシャルのようで先程より憎悪の感情が強い。
アンシャルは悲しそうに笑って

ア「兄貴に対してそれはないだろ?」

キ「見殺しにした癖に今更兄貴面してんじゃねぇよ!」

状況が読めない二人は呆然としていた。

太「ねぇ、一体どう言うことなんだい?」

二人は私に説明を求めてきた。
私はアンシャルとキシャルをちらりと見て

「私よりアンシャルに話してもらうべきじゃないかね?キシャルは真実を知るべきだ。」

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甘栗(プロフ) - クレハさん» 私の趣味丸出しです笑。そう言ってもらえて嬉しいです。頑張りますね! (2019年2月26日 15時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ - すごく面白いです!私の好みドンピシャです。更新待ってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 飛鳥さん» いえいえ!お役に立てて良かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 甘栗さん» 教えてくださり、有難うございました! (2019年2月23日 9時) (レス) id: e183043180 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 真昼ノ夜さん» そう言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!! (2019年2月22日 18時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月4日 19時

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