DEAD APPLE編 ページ19
横浜裏社会史上、最も死体が生産された88日
あらゆる組織を巻き込んで吹き荒れた血嵐
龍頭抗争
それから六年後
龍は、眠りから目覚めようとしていた
横浜の街が見下ろせる丘
緑に囲まれた墓地
砂色の外套に、ぼさぼさの黒い蓬髪
腕や首に包帯が巻かれた男は墓石に凭れかかるようにして寝そべり、空をぼんやりと見上げていた
墓石にはS.ODAの文字が彫られていた
暫くすると白髪の少年が迎えに来た
時は流れ現在横浜は白い霧で覆われている
「あらら。えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」
ふざけたような口調で外を見ている女性は癖のある黒髪を腰まで伸ばしたままにしていて
白いシャツに藍色のスリットの入ったロングスカートというシンプルな格好だがスタイルの良い体には映えて見える
本を片手に窓を見ていると
翔「そんな呑気にしている場合かよ!未来が居なくなっちまってるし!」
隣の部屋から飛び出てきたのは紅い髪を短く切っており、耳には金色のピアスをつけている三白眼が特徴的な青年だ
「落ち着きたまえよ。未来は無事さ」
女性は本を閉じて円卓に置いた
翔はどういう事かわからないようで首をかしげた
「この霧は、6年前の龍頭抗争で、数多の異能者達の命を奪ったんだ。この霧を”龍の吐息”と我々は呼んでいる。」
そしてこの霧は一人の異能力者、澁澤龍彦という男が作り出したもの。
この霧は異能と異能の所有者を分離させる力。
分離した異能は所有者を見境なく攻撃してくる
説明を終えると少し冷めた紅茶をすすり一息を付く
翔「異能を元に戻す方法は」
「簡単な事だよ。異能を撃退するだけさ」
翔「ちょっくら行ってくる」
「何処に行く気だい?」
飛び出ていこうとする翔の首根っこを掴んで行く手を阻む
首がしまった翔は咳き込みながら前のめりになった
翔「殺す気か!」
「現状をわかっているのかい?」
踞って怒る翔をスルーして呆れた顔で見下ろす
今頃横浜全域が霧に覆われているだろう
外部と遮断された状態にある
横浜内部の人間は、その殆どが行方不明、または消失
異能者のみ存在している
この霧の中では、異能力者から異能が分離し、持ち主を殺そうとしている
「どう考えたって阿保だろう」
翔「だからって此処に何時までももたついていた所で現状は変わらないだろ!」
えー、だって
「君の狼と戦いたくないんだもん」
翔「そこかよ!」
噛まれたら痛そうじゃない?
痛いのは嫌いなのだよ
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甘栗(プロフ) - クレハさん» 私の趣味丸出しです笑。そう言ってもらえて嬉しいです。頑張りますね! (2019年2月26日 15時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ - すごく面白いです!私の好みドンピシャです。更新待ってます。 (2019年2月25日 23時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 飛鳥さん» いえいえ!お役に立てて良かったです! (2019年2月23日 12時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 甘栗さん» 教えてくださり、有難うございました! (2019年2月23日 9時) (レス) id: e183043180 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 真昼ノ夜さん» そう言ってもらえて嬉しいです!頑張ります!! (2019年2月22日 18時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月4日 19時