メモNo.25-3(私とあらかわさん) ページ32
(七夕後)
あらかわさんが七夕の片付けをしている私はただ座ってそれを眺めているだけ
スマホ片手に
『愛華?』
私の視線に気付いて振り返るあらかわさん
「何?」
いつものように返すとあらかわさんは
『調子悪いか?』
「え?そんなことないよ」
あらかわさんに心配されることなんてしたかな?
『いつもなら私もーって』
「あー、そうだったね、ごめんね、ぼーとしてた」
『それならいいけど』
また七夕の片付けをするあらかわさんの背中を眺める、立ち上がる気もしないしあらかわさんのお手伝いをする気もおきない、あらかわさんがまた振り返って
『熱中症か?』
「ううん、平熱」
心配な顔をするあらかわさんを見ても何も思わなくなった
「ちょっと寝てくる」
『あ、うん』
立ち上がりあらかわさんの横を通って寝室のベットにダイブする、普段ならあらかわさんの枕を抱きしめて癒されるはずなのに今日は…
「ダメかもしれない…」
今日は冷める日なのかもしれない
「可愛くないな…」
一人でシュンとしていると横にクマのぬいぐるみを見つけた、いつも私が抱きしめて寝ているクマのぬいぐるみ
「あらかわさんに嫌われちゃったかな…」
明るく考えるようにしていた私も今日は暗く考えている
「よくないよね…」
気持ちが上がらず気分も乗らず、落ち込んでるような気持ちになる
「七夕のお返しかな…」
あらかわさんの全て欲しいなんて望んじゃったからかな…それだよね…
考えれば考えるほどため息が出てベットに沈んでいく感覚がする、扉からノック音が聞こえて入ってきた
『愛華』
あらかわさんの声がしてベットが少し沈み私の頭を撫でられる
『一緒にお散歩行かない?』
いつもの優しい声で言われるけどその気にはなれない
「また今度でもいい?」
『う、うん』
あらかわさんの表情は見えないけど驚いてると思う
「今日は一人で居たいの」
『わかった』
あらかわさんは返事をして寝室から出て行った
「はぁ」
ため息の止め方を教えてほしい
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作者名:P4lwL6FvcvmThfX | 作成日時:2022年2月18日 16時