水中の景色は美しい*フローゼル ページ12
体が、徐々に重く沈んでいく。
私は、海かプールで溺れるなんて他人事に思っていたからきっと、冷たくて苦しいのだろうなと当たり障りのない感想しか想像できなかった。頻繁に海やプールで泳ぎに行く訳ではないので、取り敢えず事故にならない程度に気をつけた方が良いと、簡潔な認識で片づけていた。
水中では何もできない、自由が効かない。
そんな状態が長く続いてしまうと私、(名前)という人物のことも忘れてしまいそうで。
騙されたと思って瞼を開いてみる。日光に照らし出された水面がキラキラと光り、水中を美しく魅せている。そこには、水ポケモン達が体を優雅に揺らしながら泳いでいて生き生きとしていた。
それに比べて私は…と、少し打ちひしがれる。昔はよくプールや海水浴で遊んだものだが、いつしか出かけることを面倒くさく思うようになり海で泳ぐことは勿論、外で遊ぶことはなかったから。
自由に海を泳ぐポケモン達は、とても気持ち良くて楽しいだろうな。
心の中で呟くと同時に、瞳を閉じようとすると視界にオレンジ色の影がこちらへ近づいていく。何をしてくるのか分からない、けれど私に気づいてくれたのは悪い気がしない。いよいよ息が苦しくなってきたので、意識を飛ばしそうだ。
手を伸ばしても良いんじゃないか。
服が水を吸い込んで重たくなった腕を、必死に伸ばした。
瞼の奥まで光りが差し込むのを感じ、そっと目を開ける。ぼんやりと視界が霞む目の前には、私にとって見慣れた造りの家。
「あっ、そう言えば帰る途中で海に溺れて…！」
何故、家に帰れたか記憶を辿っていると朧気だった出来事が鮮明に浮かび上がる。私が無事なのは、単なる夢ではなく助けてくれたポケモンがいたからだと。
私の家の近くは、水路があり出かける時は必ず海と隣り合わせ。毎日通ってきた道だから大丈夫だと、思っていたが意外にも危険は身近に潜んでいたらしい。
その時、ポケモンの鳴き声が聞こえた気がして振り返るとそこには、浮き袋を膨らませて手を振っているポケモンの姿が。
「あれは…フローゼル！？」
体力はあまり残っていなかったが、力を振り絞りなんとか水路の端へ駆けつける。フローゼルも、私に気づき近くに寄ってくれた。
「海…綺麗だったよ。水ポケモン達も凄く生き生きしてた。ねぇ…フローゼル、また会えるかな？」
一縷の望みを込めて問いかけると、フローゼルは私の手にすり寄る。これが、肯定を表すようで私は嬉しかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月城小春(プロフ) - これからも、応援よろしくお願いします。 (2023年1月15日 9時) (
レス) id: 1aa0ff1246 (このIDを非表示/違反報告)
月城小春(プロフ) - この場から、お知らせ致します。私、八雲御影はログインして月城小春に改名しました。私の作品を楽しみにして下さった方へ占ツクの機能の知識が至らぬことで迷惑をかけてしまうかもしれませんが、それでも楽しめる作品を作る気持ちはあります。 (2023年1月15日 9時) (レス) id: 1aa0ff1246 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - ゲームでインターネット使って交換してたら色違いのディアンシーが2体来て...一体持て余してずっとボックスだわ...ほんとどうしよ。 (2022年8月23日 3時) (レス) id: 2f872b552c (このIDを非表示/違反報告)
八雲御影 - 絢さん» 読了ありがとうございます！ゲームでもアニメでもルカリオカッコ良くて惚れますよね！「くわんぬ！」の鳴き声が可愛くて印象に残ってます（笑） (2022年8月15日 9時) (レス) id: 1aa0ff1246 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - ルカリオ...好き。私のパーティにもいる。すでにレベル100だけど。映画のルカリオもかっこよかったし... (2022年8月15日 8時) (レス) id: 2f872b552c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月城小春 | 作成日時：2022年3月21日 14時
