第45話 ページ47
『あれ？迷った……？』
数十分後、私は購買にたどり着けないでいた。
食堂のおばけに道を教えてもらってその通りに来たはずなのにたどり着かない。
道は間違っていないはず……？
ウロウロ歩き回っているうちに、とうとう自分がどこにいるのかすらわからなくなり頭を抱える。
どうしようか……誰かに道を聞こうか、そう考えていた時だった。
「おや？君は……」
後ろから声をかけられた。振り返り目に入ったのは綺麗な赤髪。
今朝会った寮長さんの1人だとすぐに気がついた。
『こんにちは、ええと……リドルさん？』
「こんにちは、Aさん。こんな所で何をしてるのかな？」
リドルさんは表情を変えることなく、じっとこちらを見つめている。
探るようなそんな視線だ。私は敵意が無いと伝わるように、ヘラリと笑いかけながら話す。
『購買部に用事があって、向かっていた所なんですけど……道に迷ってしまったんです』
「ああ、この学園はとても広いからね。実はボクも購買部に用事があるんだけれど……キミさえ良ければ一緒に行くかい？」
驚きの提案だった。そんなことを言われるとは思っていなかったので私は慌てて『はい！』と返事をした。
リドルさんが「わかった。ついておいで」と言って歩き出したので、私はその後を追いかけた。
リドルさんについていく。リドルさんの方が背が高いので、同じように歩いていても速さに差が出てしまっていた。
出会う人出会う人みんなコンパス長い。学園長然り、寮長の方々然り。もちろん男女の差もあるので仕方がないとは思う。それと同時に羨ましいとも思った。会う人会う人容姿端麗なのだ。頭が小さくて足が長い。
私はというとデブ……ではないがぷにっとしていて背もそんなに高くない。
(だからフロイドさんにペンギンちゃんとか言われるんだろうなぁ……)
リドルさんはフロイドさんに比べればまだマシだが、必然的に小走りになるのがなんとなく悲しい。もう少しゆっくり歩いてほしいなぁと思いながら、リドルさんの少し後ろを追いかけていた。
「Aさんは購買部に何を買いに行くのかな？」
不意にリドルさんが少し振り向きそう言った。
流石に下着を買いに行くとは言えないので、少し考えこむ。
『ええと、日用品を少し……身一つでこの学園に来たので日用品が足りなくて。リドルさんは？』
「シュガーポットの角砂糖を切らしていてね。食後の紅茶に角砂糖を入れる決まりだから買いに来たんだよ」
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小崎相良(プロフ) - 錨絡さん» 台詞の中に違和感なく潜んでるのがいいですよね。そんな要素を探すのもツイステの楽しみですし、ツイステから入った方に、そういうささやかな楽しさを伝えていきたいです(o´艸`) (2020年8月9日 15時) (
レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
錨絡(プロフ) - 小崎相良さん» アリス、というかディズニー全般歌が多いから、余計に勘ぐってしまう…好きだなぁやっぱり (2020年8月9日 15時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 錨絡さん» コメントありがとうございます。そうなんですよね！細かいところに原作の要素が散りばめられてて、気づくとあっ！ってなります。 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
錨絡(プロフ) - 春の庭、春の庭…アリス、……ゴールデンアフタヌーンを入れ込んでたのか…さすが制作陣。拘るなぁ…とても好き (2020年8月9日 9時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - マチさん» コメントありがとうございます！お気に入りいただけてとても嬉しいです！不定期更新ではありますが、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年7月28日 0時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2020年6月6日 10時
