第40話 ページ42
声の主は柄入りのターバンを巻いた白髪の青年で、褐色の肌と赤い目が印象的だ。
青年はアズールさんの綺麗な微笑みとは違い、感情を反映したような笑顔でニコニコしている。
「俺はカリム・アルアジーム！スカラビア寮の寮長だ！気軽に“カリム”って呼んでくれ！宜しくな！！！」
カリムさんもそう言って手を差し出してくれた。
『宜しくお願いします』と言って手を握ると、手握った手をブンブンと上下に振られる。
『わっ』とか『ひゃ、』とか私から変な声が漏れるがカリムさんに気にする様子はない。
その様子から、この世界で出会った人の中でズバ抜けて明るい人だと悟る。
カリムさんは握手を終えると、手を離すと同時に「次はヴィルだな！」と言って後ろへと下がっていった。それと同時に美しい青年……？が歩み出てきた。ブロンドの髪はグラデーションになっていて、毛先は明るい紫色が印象的だ。
「次はアタシね。アタシはポムフィオーレ寮寮長のヴィル・シェーンハイトよ。よろしくね」
『宜しくお願いします……』
ヴィルさんは右手を左胸に添えると軽く会釈をした。貴族の方がするような美しいお辞儀だ。私も慌てて頭を下げる。私が頭を上げるのを確認すると、ヴィルさんは自分の後ろに隠れていた青年を引き摺り出し「アンタの番よ！」と背中を叩いていた。引きずり出された青年は猫背のまま、美しい金色の瞳でこちらをチラリと見る。その髪が青く炎のように燃えていて、思わず目を見開く。
引きずり出されたその人の髪は鮮やかな青と白が揺らめいていて、“髪”と言うにはとても不思議な形状だ。炎のような揺らめきはとても神秘的で思わず目を奪われる。
「……」
『……？』
切れ長の瞳はこちらを見てはくれている。
じっと見ているわけではなく止めどなく動き、困惑しているような悩んでいるような表情だ。
言い出せない、のだろうか？
じっと見つめるとその人は「ひっ！」と体を縮こまらせた。
「ぼぼ、僕はイグニハイド寮寮長イデア・シュラウドです、どうも。宜しくはあまりしたくない、というか対面でお話とか基本嫌なんで……帰っていいですか」
燃える青髪とは裏腹に、イデアさんは早口で言葉を紡いだ。
そして言い終えると視線を下にフイ、と逸らす。
私は瞬きすることを忘れ、その光景を見つめていた。
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小崎相良(プロフ) - 錨絡さん» 台詞の中に違和感なく潜んでるのがいいですよね。そんな要素を探すのもツイステの楽しみですし、ツイステから入った方に、そういうささやかな楽しさを伝えていきたいです(o´艸`) (2020年8月9日 15時) (
レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
錨絡(プロフ) - 小崎相良さん» アリス、というかディズニー全般歌が多いから、余計に勘ぐってしまう…好きだなぁやっぱり (2020年8月9日 15時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 錨絡さん» コメントありがとうございます。そうなんですよね！細かいところに原作の要素が散りばめられてて、気づくとあっ！ってなります。 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
錨絡(プロフ) - 春の庭、春の庭…アリス、……ゴールデンアフタヌーンを入れ込んでたのか…さすが制作陣。拘るなぁ…とても好き (2020年8月9日 9時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - マチさん» コメントありがとうございます！お気に入りいただけてとても嬉しいです！不定期更新ではありますが、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年7月28日 0時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2020年6月6日 10時
