【ツイステ】覆水不返

第27話 ページ29

「Aか、わしはリリアじゃ。気軽にリリア先輩♡と呼ぶと良い」


古風な話し方をする彼の声は耳心地が良かった。低すぎず高すぎず、聞いていて心地の良いその声になんだか安心する。

彼の話し方と声のおかげか、自然と涙は引いていた。


「して、お主は何故ここにおる？」


『外の空気を吸いに……？』


「空気を吸いに来ただけなら泣かんじゃろう？」


『元の世界を思い出して……辛くなって』


「元の世界？」


『異世界から迷い込んだみたいで……』


「ほう」


リリア先輩？はとても興味深そうに私の話を聞いている。私はこの世界に迷い込んだ経緯を、順を話した。




トイレと学園が繋がったこと、




助けを借りで学園長に会ったこと、




闇の鏡に魔力はないと言われたこと。




うんうんと頷きながら聞いてくれるので、言葉は口からするすると出てくる。



『最終的に女だということもあり、学園長推薦枠として入学させていただくことになりました。ですので……』


「ふむ、そのような話は聞いておらんが……」


『ま、まだ、数時間前のことなので……すみません……』


「なんじゃ、お主が謝ることではないじゃろう？では、そのことを知っているのは？」


『ええと、学園長先生とユウくんと……あとはアズールさん、フロイドさん、ジェイドさんだけだと思います』


そう言うと、リリア先輩はきょとんとした。



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