第卅漆話＿六日目 ページ40
翌日。待ち合わせ場所に行くと、八雲さんが待っていた。時間より早く来たはずだが、八雲さんはそれよりも前からいた様子だった。紳士だなぁ……。
藤田さんが来るまでの間、八雲さんと一緒に情報収集をする。心当たりがある人も、目撃者もおらず、聞いても聞いても話が進展していかない。
今更になって、ナイルさんに住所とか連絡先を聞いておけばよかったかな、なんて後悔する。思ったところで後の祭りだけれど。
約束の時間になると、藤田さんが現れた。
『こんにちは、藤田さん』
「娘、何故この男がいる？」
そう言って八雲さんを見る藤田さん。
「理由など１つですよ藤田サーン。私が彼女と一緒に情報収集をしていたからです」
ドヤッという顔で八雲さんは胸を張る。どのような意図があるのかはわからないが。
藤田さんはそんな八雲さんを見てハァ、と深い溜息をつく。2人の関係はよくわからないが、何となく藤田さんは八雲さんに振り回されて苦労している気がした。
八雲さんが動かないことを察したのか、藤田さんは改めて本題へと移る。
「娘、結論から言う。“ナイル” という者は賓客のリストの中にはいなかった。そして調べた限りでは、住民登録もされていない。行方不明者として届けが出ている様子もない」
『東京には居ない、ということでしょうか？』
「違いますよ、Aサン。そうですねぇ “ナイル” という名前が本名で更に外国人とする場合、届けを出さずに入国している可能性があるという話です。……あまり良くはありませんね。勿論、住民登録されていないのなら、東亰の住人でもありません。それと、行方不明者の届けが出ていないとの事ですので “彼を探す親族がいない” 、という事です。“ナイル” という人物が世帯を持っていない証明ですね」
『え』
「全ての人間の情報があるのではない。正式に登録されている者の名しか乗っていないからな。可能性がゼロとは言わないが、確率は低いだろう」
「独り身の方なのか、届けを出さずに入国されているかは分かりませんが……どちらにしてもあまりよろしくはないですね。因みに、物の怪の可能性は？」
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小崎相良(プロフ) - あららさん» コメントありがとうございます！私も芽衣ちゃん好きです！こちらこそ、これからも宜しくお願いします！ (2019年6月30日 20時) (
レス) id: bb37bfea9e (このIDを非表示/違反報告)
あらら - めちゃくちゃ面白いです！めいちゃん好きなんで話に出てきて嬉しいです！これからも更新を楽しみに待ってます！ (2019年6月29日 23時) (レス) id: 3866ce7f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年6月15日 0時
