第卅捌話＿可能性 ページ41
『え、物の怪ですか？見た目は人間と変わりませんでしたが……』
改めて考えてみる。
ナイルさんに会っていたのは決まって深夜。
自分以外の他の人と話しているのは見たことはないが、それは深夜だというのもあるかもしれない。それに加えて、他人をタイムスリップさせる能力。これは人間が持つ力ではないのはわかる。約100年後の未来でも時間旅行は実現されていなかった。
それを行なったナイルさんを考えると必然的にたどり着くのは “人間ではない何か” だ。
物の怪。
神。
宇宙人。
魔法使い。
ナイルさんが得体の知れない何かであるという推理は、自分の中で核心に近づいてきている。
少しずつ現実的になり、まだそれらを否定できる事柄が何もないのも、不安になる原因だろう。
何も言わない私を八雲さんは心配そうに覗き込んできた。藤田さんは一歩引いたところで会話の行方を見守っている。
『その推論を否定は、出来ません』
「それは何故ですか？」
八雲さんは首を傾げた。
『私がナイルさんにあったことがあるのは夜だけで、昼間には会っていないんです。会った時も１対１でした。他の方に見えるのかという判断も、日の出ている時間に会ったという事実もありません。それらがなければ、物の怪であるという仮説を否定することはできないと考えます』
「すばらしい‼何だかワクワクしてきました！」
「……意味がわからん。何故此奴は喜んでいる……」
目に見えて喜ぶ八雲さんとそれを見て落胆する藤田さん。
2人の不思議な関係に苦笑いしつつもこの先のことを考えて、少し気を引き締めた。
藤田さんと別れて、八雲さんとともにナイルさんを探す。街の中で聞き回ってもナイルさんの情報はひとつも出なかったものの、ヤマタノオロチらしき物の目撃情報は見つかった。
目撃されたのは不忍池と呼ばれる所。2人で見に行ってみたものの、現れる気配はない。
「現れませんね……何故姿を見せて下さらないのでしょう……」
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小崎相良(プロフ) - あららさん» コメントありがとうございます！私も芽衣ちゃん好きです！こちらこそ、これからも宜しくお願いします！ (2019年6月30日 20時) (
レス) id: bb37bfea9e (このIDを非表示/違反報告)
あらら - めちゃくちゃ面白いです！めいちゃん好きなんで話に出てきて嬉しいです！これからも更新を楽しみに待ってます！ (2019年6月29日 23時) (レス) id: 3866ce7f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年6月15日 0時
