第33話:交渉 ページ38
翌日、高校での生活に慣れてきたところで校長先生に呼び出された。
校長室に向かうとそこには校長先生と細身の金髪の男性がいた。
初めて見る男性に驚き、慌てて会釈をする。
すると男性は「ハハ」と困ったように笑った。
「やあ!待ってたよ!A君!」
『……【お久しぶりです】』
「元気そうでよかった!ここでの生活には慣れてきたかい?」
『……【はい】』
「君を預かる先生が決まったから紹介しようと思ってね!ここにいる彼なんだけど……」
「や、やぁ、こんにちは。A君」
彼の言葉にもう一度頭を下げノートに【AAです。よろしくお願いします】と記入して見せた。金髪の彼は「ヨロシク」と言って深い深呼吸をする。
何か、おかしい。変だ。
笑顔に違和感を感じて、壁際に後ずさると、ボンっという音とともに先程の金髪の男性はオールマイトに変身?した。
『……?!』
頭にハテナを浮かべ、オロオロしていると校長先生が口を開く。
「驚いたかい?さっきの男性はこの彼、オールマイトなんだ!」
『????』
わからない!情報が少なすぎてついていけない。
このネズミ校長は何を言っているんだろう?
細身の金髪の男性とムキムキマッチョのオールマイトが同一人物?
……理解が追いつかない。
「わからないって顔をしているね(笑)」
「根津校長、私から話しますから!」
『!』
そういうとオールマイトは消えて、細身の金髪の男性がもう一度現れた。
「君に会うのはあの日以来だね……私は、“平和の象徴”オールマイトは本来この姿なんだよ。それは、理解してくれるかい?」
その言葉に頷くと、オールマイトはホッとしたように笑った。
んん、思ったより穏やかな人なのかもしれない。
「ヒーロー活動をしていた時にね、致命的な傷を体に負ってしまったんだよ。その後遺症で、私は一定の時間しかヒーローとして活動することはできない体になってしまったんだ。そこで、できるかはわからないんだけど、君の力を借りたいと思ってね」
『……【個性を?】』
「そうそう。君の増やす個性で僕のヒーロー活動できる時間を、マッスルフォームを維持できる時間を増やすことはできないかって考えたんだ」
マッスルフォームは多分、あのムキムキマッチョスタイルのことだろう。平和の象徴がそんな裏事情を抱えているなんて、思っていなかったので思わず息を飲む。
人は、見かけによらないとはこのことだなぁ、なんて頭の片隅で考えた。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時