【ヒロアカ】ここにいる理由

第23話:オールマイト ページ25

砕けた壁の煙の中から現れたのは、青と赤のコスチュームを来た金髪の男だった。

その男はバーに貼ってあったポスターで見たことがある。
金色の髪で反り立つブイの前髪、テレビやポスターで見たオールマイトその人だった。


「嫌な予感がしてね！……校長のお話を振り切りやってきたよ。来る途中で飯田少年とすれ違って……何が起きているかあらまし聞いた」


彼が来たことで建物内の空気が変わった。


…………死柄木さんの放つオーラも。







「もう大丈夫、私が来た！」








「待ったよヒーロー……社会のごみめ」


オールマイトはすごかった。

イレイザーヘッドが戦っていた同志らを、あっという間に蹴散らす。

蹴散らしたかと思ったら、緑色の髪の男の子、緑色のコスチュームの女の子、イレイザーヘッド、背格好の小さい男の子を抱えて更に死柄木さんに一発入れて距離を取った。



その拍子、



死柄木さんの額についていた“手”が外れ地面に落ちた。



その時だった。


「ああああ……だめだ……ごめんなさい……！お父さん……」

『⁉』


死柄木さんは突然取り乱した。




見たことのない姿だった。









……何かあの“手”にあるのかも知れない。






死柄木さんの『個性』は強い。強くて、とても繊細で危険だと思う。
なんでも、死柄木さんが言うには本人の意思にかかわらず、指先五本が触れればオートで発動するらしい。その力は本人が望んだとしても止めることができないという。
今は指を外して持つことが当たり前だが、その話を聞いて、五本で触れられないと不便な物が世の中には溢れているなと思った。
箸も茶碗も本も服も、扱うのにとても神経を使いそうだ。
手袋とかも対象になるのか？あ、一本指の先を切っておけばいけるかも……







死柄木さんがどんな人生を送って来たかなんて聞いたことがないので分からないが、聞いてみたら意外と面白い話が聞けるかも知れないと少しだけ思った。






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