新星ツートップ ページ28
「倉敷さん、何があったんすか？」
一瞬で凍りつく空気。止まる倉敷さんの手。鳴り止むキーボード。そして耳が痛いほどの沈黙。
しかし凍える様な殺気も一瞬で消え去った。器用だ。
つか質問ミスったわこれ完全にミスった。倉敷さん微動だにしてないじゃん。え、人形？ついに人形になった？その顔の良さなら普通に人形としてやってけると思うけどって違う違う。
とか考えた直後、倉敷さんが目だけを動かして俺を見た。
え、考えてることバレた？さすがにそれはないっすよね？そんなエスパーみたいな真似はさすがに無理っすよね？
「何のことだ」
いやぁそれは予想外っすわ倉敷さん。
つかやっぱ気付いてなかったんすねこの空気に。気付かぬ内に空間支配しちゃってたんすね。
前の席をご覧になったらわかると思います倉敷さん、あなたの殺気にビビり散らした先輩がずり落ちてますよ。
とかこの空気で言えるはずもなく。
「さっきからずっと考え事してるようだったので」
適当にそれっぽいことを言って誤魔化す。嘘はついてない。だって今まで、おっかない殺気を向けてた人間のことを考えてたはずだし。
心の中で誰にでもなく言い訳をしていたから聞き逃してしまった。
「
それだけで全てを表せてしまいそうな程に重く、倉敷さんにとって最も重要なものの一つであるとまで錯覚させるような一言を。
「え？」
「……なンでもねェよ。それより全然進ンでねェじゃねェか。ちょっと寄越せ」
「え、あ、ありがとうございます」
そう言うと倉敷さんは、俺の机に積み上がった書類を持ち上げたかと思えば、彼のデスクの空いてるスペースにバサッと無造作に書類を置いた。
ただでさえ倉敷さんの机にも書類は積み上がっているってのに。
それなのに他の人の何倍も多く渡されてる俺の書類仕事を、だいたい7割くらいも持って行った。
こうして見ている間にも倉敷さんはさっそく俺の仕事に取り掛かり、たちまち書類の山を片付けていっている。
その様子に思わず唖然としながら倉敷さんを見つめていると、だんだん倉敷さんの眉間がいつも以上に大変な事になっていった。
「……おい煌月。これ、お前の仕事じゃねェな」
本日2度目の大氷河期の到来だ。
あえて俺からひとこと言うとすれば、『やらかした』。これに限る。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
