大悪党と駆け引きを【名探偵コナン】【救済】

白猫の魔女伝説 ページ21

『お嬢ちゃんすごいな！！』


『今の蹴りどうやったんだ！？早すぎて見えなかったぜ！！』


『お姉ちゃんかっこいー！！』


『カバンを取り返していただきありがとう！！何かお礼がしたいわ！』


『いえ、お礼なんて大げさですよ！わたしは来た人を蹴っただけなので！！』


『俺からも礼をさせて欲しい！あんたがいなかったら今頃刺されてたよ！！』


『』




どもども現実逃避しようにも逃避先が見当たらないAです！！て言っても逃避してる時間なんてないんだけどね！



だってさこれから先何回かケビンさんの家からここに来る予定だし、もし何回もこういうことがあったら？

他に助けた人を他のセーフハウスに連れて行った後、その周辺で急に出現し始めたら？……その周辺で急に現れた人がいるってバレたら？

………それで助けた人たちに辿り着かれたら？


……………可能性が低いのは分かってる。分かってるけど残念ながら嫌な予感しかしない。特定の場所で現れ続けるのは危険かもしれない……。




『あのひったくり、ナイフを持ってましたけどお姉さん怪我してませんか？』



『あら、そういえば腕を少し切られてるわ……』



『えっ！？見せてください！』



『え、ええ……』




やっぱりお姉さんは怪我してたか。

そう思いながら美香おばさんにもらった、あの茶色のショルダーバッグの鞄の底をゴソゴソと探り消毒液やらをポンポンと取り出していく。

……もう怪我なんてあまりしないけど手放せないんだよなぁ……




『少し失礼しますね。

…………………とりあえず応急処置はできました！念のため病院で見てもらってくださいね！』



『本当に何から何までありがとうね！』



『いえいえ、お気になさらず！』



『そういえば、お名前を教えてもらってないわね。あなたの名前は？』



『……………………ウツギです！ではこれで失礼します！』



『え！？あ、ちょっと！！』




気配をパッと消して走りに走った。考えすぎとは思うんだけどさぁ……なんかちょっとしたことでバレるみたいな可能性は潰したいじゃん？？




「………立華ちゃあん……特定の場所に現れ続けてた人がさ、急に他の場所でも現れて続けたら怪しい？」



『警戒心の強い人には怪しまれる可能性はありますね……

もしその時に急に現れた存在(NOCさん)のことがバレたら……！』



「そうなんだよなぁ……」



『なら最初からアメリカ全土に出没するのはどうでしょう？』

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