大悪党になるしかない【名探偵コナン】【救済】

まさか君は……！？2 ページ6

「グスッ……えっぐ………えっぐ………」




視界の端で揺れる柔らかそうな金髪。日に焼けた健康そうな褐色の肌。さてはさては君は……
なんて考え込みそうになってからハッと気がつく。


違うじゃん！！まず怪我してないか確認しないと！！とりあえず誰かなんて関係ない、今わたしには応急処置をできる術がある！！



そう。わたしは木に登って傷を作ったり、蜂の巣をつついて逃げ回って転んだり(刺されなかったのは奇跡)、木から飛び降りて骨を折ったりしていた。



これまた転生特典で1日で綺麗に治ってしまうのだけど。てかめっちゃ骨が折れやすいのなんでだろう。あんまり痛くないから良いんだけどさ。



そんな野生児に美香おばさんがこの茶色のショルダーバッグに色々入れてくれたのだ。ありがとう美香おばさん！！この恩は忘れないからね！！



見たことあるとはいえ、知らない人に声をかけるのはハードルが椅子の様に高い。知らず知らずにショルダーバッグの紐の部分を思わず握ってしまいながら声をかけてみる。


ふ、不審者じゃないからね！？あ、4歳だったわ。




「お兄さんなんで泣いてるの？怪我痛いの？」



「怪我なんてたいしたことないよ……うぐ……」




そして今まで手で隠れていた目があらわになる。……水色のおめめだ。目を合わせてくれたことが嬉しくってちょっと笑顔になる。てか上目遣いぎゃんかわっっ！！そんな目で見ないで！？！？




こ ん な に 可 愛 い ポ メ ラ ニ ア ン が 将 来 ゴ リ ラ に 進 化 す る は ず が な い




だってこんなに可愛いんだしそっくりさんってだけかもしれないじゃん！？

とか思いつつ腕とか足とかを見てみるとと、やっぱり怪我してた。足に擦りむいたような傷がある。




「お兄さん、あのベンチに座って！！傷のお手当する！！」




少し濡れた手を握ってベンチまでぐいぐい引っ張って連れて行く。




「離してよ！たいしたことないって言ってるだろ！？」



「ちょっと痛いけど我慢だからね！！」



「無視しないでよ！！」



「じっとしててね！！！」




なんて会話のドッヂボールを交わしながらポメちゃんの方を見る。
そんなにしゃくりあげながらキュルキュルした上目遣いで威嚇されても可愛いだけだわふははは

なんて思いつつ次は、怪我を見てみる。

こういう傷の方が存在を主張して痛いんだよね……。あんまり消毒液つけすぎると可哀想だよね――





消毒液ブシャァッ―――――☆

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