大悪党になるしかない【名探偵コナン】【救済】

大悪党の目覚め2 ページ48

全速力でかけるエリーの後を必死について行く。夜の冷たい空気が肺を冷やして息がし辛くなっていくが、四の五の言ってはいられない。




「エリーさん！！まだ！？」



「にゃーん！(もうすぐ！)」



「分かった！」




視界の端に黒いポルシェが見えるが、車では遠回りしなくてはいけないだろうからギリギリといったところか。




「にゃうん(着いた)」



「わかった！ここで待ってて！帰りの道案内もお願い！」



「にゃあん(絶対帰ってきてね？)」



「うん！行ってきます！」




念のため表札で赤井家であることを確認し、務武さんの気配を探る。



……いた！三階の窓際か……なら屋根の上に登ってそのまま突入するか。



スーッと周りの空気に溶け込む。それから空気を揺らさずに屋根まで飛び乗り、務武さんの位置を確認する。


よし、動いてない……！！中二病心全開で練習しまくった“あれ”！今やらないでいつやるっての！


そう思って窓をコンコンとノックする。


警戒しながらそろりと近づいて来る。そして彼の意識の波長を読み取り



――ドンッ！！



意識の波長に合わせて思いっ切り窓を叩くことによって麻痺させる。



こんなイケオジ麻痺させるとか業深すぎて土下座したい。



さっと玄関前に降り立ち鍵穴を傷つけないように注意しながらピッキングでドアを開け一気に三階まで駆け上がり、務武さんの血を抜き弾に詰めて撃った。



ッああーー！！これ音出ないじゃん！これじゃあ始末したって思わせられな――



人が駆け上がってくる。足音は1人分。この気配、さてはさっきの黒服か？ならやりようはあるかな！！



今撃ちましたと言わんばかりの格好で黒服が上がってくるのを待つ。……この格好意外ときつい。



――ダァーンッ！



扉が開き笑顔を貼り付け振り返る。




「やぁ。この人に生きててもらうとちょっと困るからさ、バイバイしちゃったんだよね。

いやー悪いとは思ってるんだよ？ほんとほんと」




「普通」を演じて相手の警戒心を解く。




「あ、その反応、君俺と同業かな？ターゲットは早い者勝ちだから今回は運悪かったと思ってクライアントに連絡しなよ。あ、それとも肉いる？(すっとぼけ)」



「い、いや。捨てろって言われてる。」



「そっか！ならもらっちゃうね！！俺、解体するの大好きなんだー！！」




自分でもゲスなことを言ってる自覚はある。が、できるだけ関わりたくない人物はこんな感じだろう。そう思って演じ続ける。

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