大悪党になるしかない【名探偵コナン】【救済】

新しいスタート5 ページ46

『彼、紛争域にでもいたんですか！？』



『まさか。彼はずっとイギリスで暮らしていたはずだ。』



『ならどうして彼はあんなに……！！』



――ダンッ



――ピシュッ



彼女の狙撃力に驚いて詰め寄る部下を抑えながら、狙撃テストを受けている彼女を見る。

弾丸が放物線を描き、数瞬あけて聞こえる着弾音。



………これで1000ヤード到達だ。なんて命中率だ。いや、本当にすごいのはここまで途切れることのなかった集中力か？


それより彼女の追い詰められているかのような雰囲気は一体なんなんだ。一体何がそんなに彼女を追い立てている？




『終わった』



『次、筆記か体術か対サイバー犯罪どれがいい？』



『体術で』



『分かった。案内してやってくれ。』




そう言って部下に連れて行かせる。各ヤードの命中率はどれも95%以上だ。


1日でこんな結果を出せるがいるとはな。本来訓練が必要だが、これはもう即戦力として出せる。




『君は彼のこと、どう見る？』



『銃の扱いは完璧ですね……。他の試験の結果にもよりますが、即戦力になるかと。』



『やはり君もそう思うか……。』




彼女はどの分野においても才能を発揮したため、その日の内に正式に採用した。実地研修は必要がないかもしれない。


さっきの人畜無害然とした彼女のものとは思えない結果に背筋が粟立つ。

――


「あ゛あ゛〜〜！！疲れた〜〜！あれ1日の運動量じゃないでしょ〜！」



ソファにドサっと座り、湿布を足に貼っていき、足をぶらぶらさせる。




「にゃあん(お散歩行かない？)」



「行きます！」



筋肉痛？どうでもいいやそんなこと
赤いコンタクトレンズを入れ、Arts用の黒いカツラをつけて顔を変える。




「あ……あ゛ーあ゛ー！ん゛ん゛！よし！いい感じ！」




声をできるだけ某池袋の情報屋に近づけ、スーツをポイポイと脱ぎ捨てていく。

Artsの体型にするコンプレッションウェアを着て、その上から黒パーカーと黒半ズボンを履き、書斎の奥へ進む。ここにわたしが作った仕掛けがある。




『A さんの生体反応を確認。ゲートを開きます。』




わたしの生体反応で判断するから、破られることはない。中二病だって？正解！！
開かれた先にあるのはいくつもの武器。




「……うん！これにしよう！」




その中から即効性仮死銃を手に取り、ハーフパンツに隠すようにつけたガンベルトに差し込む。




「お待たせ！散歩行こっか！」



「にゃうん！！」

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