大悪党になるしかない【名探偵コナン】【救済】

新しいスタート ページ39

「あれから一年！兄思いの妹の行動とは！？当時を振り返ってみましょう！」



「悲劇！報われることのなかった妹の行動！！」




テレビのスイッチを切って、頭をガシガシとかく。




「勝手に悲劇にしないでよ、ほんと勝手よね。あれは『新しいスタート』だもん。」




文句を垂れながら白銀のカツラをつけていく。やっぱ慣れないなぁ……。最後にカツラつけたのいつだっけ？



顔を変え、服の下に肩幅を作り少し出てきた胸を潰したりと、体格を変えられるコンプレッションウェアの上にスーツを着込む。




「うわ！！時間やば！？荷物良し、服装良し、顔良し、体良し、ベルト眼帯良し……やっぱまだ慣れないな……もぞもぞする……。てかシークレットシューズ歩き辛いな！？」



このシークレットシューズ、実は15cmも身長が上がるのだ。その分爪先立ちになるけど一気に高身長になれるのだ。



やっぱ高いところってテンション上がるよね！！



ベルト型の眼帯を右目につけた。やっぱこの金色の眼の主張激しいなぁ…まあその分顔全体は覚えられにくくなるか。


鏡を見ながら整える。鏡に別人が映るなんて違和感しか感じない。




「あと口調変えないと…やっぱ一人称は俺？んー慣れないな。あ、でも英語だし関係ないか。おっとと歩き辛いね！？シークレットシューズって！」



「ふんふんふふ〜ん…っよし！革手袋もはめられた！行くか！！」




今日は早起きできたため時間にかなり余裕がある




「エリーさーん？エリーさーーーん！？」



「にゃあん(うるさいわねぇ。聞こえてるわよ。)」



「あはは、ごめんって！」



「にゃうん(紹介状は持ったの？)」



「あ！ない！！ありがとうエリーさん！」



「にゃおん(ほら、さっさととって来なさい)」




ここに来てから初めてできたお友達、通称「何を貢いでも靡いてくれない猫」こと、この辺りに住み着いてる野良猫のエリザベスちゃんだ。真っ白でもふもふしててずっと触ってたくなる。



は？人間の友達？……ああいませんよなんか悪いですかあ゛ぁ゛ん！！！！？



……あ、涙出てきた。



実はあれからアメリカに移り住んだ。理由は、美香おばさんが残しておいてくれた手紙に「FBI長官を頼りなさい。あの人は私に貸ししかないからなんとかしてくれるわ。」と書いてあったからだ。


一体何者なの美香おばさん……。


2人を失ったのはなにより悲しかったし今も思い出すのは辛い。でも、あんなこと書かれたら、ねぇ…

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