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大事な時に役立たないと意味がない。※ここからシリアス ページ38

工藤家に遭遇してからもう何年か経った。なんかもう数えるのも億劫だわ。というか今は何も考えられない。



2人が、美香おばさんとやすみつ兄さんが、永遠に帰らぬ旅に出た。



あとちょっとで助けられたのに。なんで?



大学を卒業して、研究者になりたいやすみつ兄さんは大学院にいくって言うから、わたしもついて行って。研究室に入って、普通は2年だけど、成績が良かったから、3年間頑張って。



それから?なんだっけ。ああ、そうだ。大学院も卒業して研究所から声がかかって、開発に携わって。やっと兄さんの夢が一つ叶った。はずだったのに。




「お前らが、お前らが悪いんだ……!!」




家に帰って一番最初に目についたのは、美香おばさんを中心に広がる赤い血、血、血。



それから、アルコール系の何かを嗅がされて…………ここから記憶がない。



そうそう、今回判明したんだけど、神経が鋭すぎるわたしはアルコールに極端に弱いらしい。たぶん犯人はたまたまアルコール系のものを選んだんだろうけど。




「……どこ?ここ」



「あ、起きたんだ。それにしてもよく寝てたね。」



「……大変な時にごめんね。」



「Aが元気ないってなんか調子狂うなぁ……。」



「ここすごく寒いよ……。早く帰らなくちゃ、」



「こんな猛吹雪だよ?歩けるわけないよ。爪がもう青くなり始めたし、僕もうダメなんだよ。」



「ダメじゃないよ!兄さん、わたしの背中に乗って?」



「……。仕方ないな。」




あたりはもう既に夜の帳が降りている。その上、方向なんて関係なしに雪が襲い掛かる。柔らかくって優しかった雪は今や石礫のように痛い。




「はあ、はあ、はあっはあ、」




……頭がクラクラする。三徹明けかよ。
足の感覚なんてとうの昔にない。つまりどんな無茶をしても痛くない……!




「さらに!!飛ばす!!」




横幅が10mは優に超える亀裂を跳び渡り、岩の上を駆け、18m程の崖を飛び降り、まっすぐ、ただまっすぐ麓へ下りる。



猫たちとの散歩で鍛えたパルクールのお陰である程度の段差は手が空いてなくても乗り越えられるが、大きな岩は手を使って這い上がる。

その度に爪が剥がれていくが気にしてはいられない。




「もう直ぐだからね!兄さん!」



「……。」





足に力が入らなくなってきた。もう気力だけで動いているようなものだ。




「……はあ、はあ……っ!!着いたよ!!救急車を呼んでもらおう!兄さん!」

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あいな(プロフ) - mineさん» じゃあ誕生日もう直ぐなんですね!!少し早いですがおめでとうございます!! (2020年6月1日 3時) (レス) id: 81b2bfa228 (このIDを非表示/違反報告)
mine(プロフ) - マジかw夢主と誕生日一緒www嬉しい♪そして、すごい面白かったです!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: bb35a2bcb5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - すごく面白かったです!これからどうなるのか気になります! (2020年5月16日 12時) (レス) id: 92677f67cc (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!!励みになります!ぜひまた読んでくださいね! (2020年5月13日 19時) (レス) id: 5303af059d (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 面白くて一気に読んでしまいました!笑 更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月13日 16時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいな | 作成日時:2020年5月10日 1時

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