大悪党になるしかない【名探偵コナン】【救済】

新一side ページ35

父さんが事件解決の手助けをすることになったから、僕もついて行った帰り。薄い金髪にキラキラした青い目の、眼帯をつけた女の子がいた。その姿は、あの日の女の子をそのまま大きくした姿のようで――




「久しぶり！Aちゃん！！」




会ったのはもう何年も前だしそれっきりだったから、忘れられても仕方ないと思う。



それでも思わず泣きそうになった僕に、「ちゃんと覚えてるよ！工藤新一くん！」と笑顔で話してくれる。覚えててくれたみたいで、すごく嬉しかった。




「ねえ！よかったら一緒にお洋服見にいかない？私、Aちゃんに似合う服を売ってるお店に心当たりがあるの！」



「……え゛っ」



「あら、もしかしてこのあと用事があったかしら……？」



「い、いえ！な、なな何もございません」




……。時々母さんは強引なんだよなぁ……。今回に関してはありがたいけどさ。



ずるずるとAちゃんを引きずった母さんが来たのは有名洋服店。もうAちゃんは悟ったような顔をしている。察しのいいことで。ハハッ……。



でも、母さんは女優なだけあってどの服が似合うかを完全にわかっている。父さんも、母さんのファッションセンスに関心したようにうなずいている。



Aちゃん？Aちゃんは1着目の服の値段を見て目を回してたよ。さすがに可哀想かと思ったけど、そんなんで母さんは止まらないからなぁ……。



襟の部分から切り替えが入っていて、左半分は真っ青な地に白いストライプ、右半分は真っ白で、腰で結べる青いリボンのついたワンピースを着たAちゃんが試着室から出てきた。




「ど、どうですか……？」



「キャー！！すっっごく可愛いわ！！これにしましょう！！」



「えっ！？か、買うんですか！？」



「当たり前じゃない！こんなに似合うんだもの！着なきゃ損よ！」



「そ、そんな！？わたしお財布ありませんよ！？」



「いいのよお金なんて！！新ちゃんと仲良くなってくれたお礼と思ってほら！！」



「む、むしろ仲良くしてもらってる側なんです！！困りま――」



「店員さーーん！！このワンピース着たままお会計してもらってもいいかしらー？？」



「はい！お召しになったままお帰りになられますか？」



「ええ！そうしてちょうだい！」



「」




なんというか、すごく可愛い。もうAちゃんのために作られたんじゃないかってくらい似合ってるし本当に可愛い。そんな服を選ぶなんてさすが母さんだ！

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