もう何も言わん2 ページ32
「……俺が選んだのだが、気に入らなかったか……?」
この男、さては将来誰彼構わず貢ぐ男になるな……?と悪い人に騙されそうで心配していると、表情に出ていたのだろうか。
そして何を勘違いしたのか、眉を下げそう聞いてきた。いやすごく可愛いとは思うんだけど……違うんだよ!!考えてるのはそれじゃなくってね!!?
「こんなに高そうなもの受け取れませんよ……」
「この色をお前につけて欲しいんだ。」
そう言い、箱をもっているわたしの手を覆うように握ってきた。ニギッテキタ!?な、なにをするんだ!?
思わず顔をあげ、秀さんの顔を見る。その真剣な目はとても嘘などついているようには見えなくってわたしを焦らせる要因にしかならない。
……この人たらしめ……無自覚たらし程恐ろしいものはないんですぜお兄さん……。もう受け取るしかないようだ。
デザインはわたしのどストライクなのだ。嬉しくないはずがない。それに、秀が選んでくれたというのが何よりも嬉しかった。
わたしに似合うものを探してくれたのだろうか。自分でも口角が上がっていくのがはっきりと分かる。
「ありがとうございます!すごく嬉しいです!」
「そうか、良かった。」
「ふふふっ!」
「なぜ笑う」
心なしホットした表情を見せる秀に笑いが溢れてしまった。
「だって秀さんがそんな表情をするなんて!ふふっあはははははは!」
「そんなに笑うことないだろう。俺をなんだと思っているんだ。」
「あはははははは!!」
一度笑い出したら止まらないかっぱえびせんなわたしは笑い続けてしまう。
秀さんもつられて笑いだす。それがまた珍しくて笑ってしまう。
「ははは、気に入ってくれたようで良かったよ、A。」
「本当にありがとうございます!このお礼は絶対しますからね!」
そう言って頭を撫でてくれる。大きい手が心地よくて目を瞑る。
次の瞬間、額に温かくて柔らかいものが触れる。驚いて目を開けると、そこには秀の顔があって……。
――ファッ!?
「楽しみにしている。」
そう耳に囁いて帰って行った。つまり、つまりあいつは人たらしじゃなくって――――
「――女ったらしかよあんっの!!」
今からその片鱗を見せる秀に思わず頭痛が痛いという表情になる。
なんて、悪態をつくしかまだ顔に残る熱を冷ます方法が浮かばなかった。
「――――赤井ィィィィィイイイイ!!!」
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あいな(プロフ) - mineさん» じゃあ誕生日もう直ぐなんですね!!少し早いですがおめでとうございます!! (2020年6月1日 3時) (レス) id: 81b2bfa228 (このIDを非表示/違反報告)
mine(プロフ) - マジかw夢主と誕生日一緒www嬉しい♪そして、すごい面白かったです!! (2020年5月31日 22時) (レス) id: bb35a2bcb5 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - すごく面白かったです!これからどうなるのか気になります! (2020年5月16日 12時) (レス) id: 92677f67cc (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!!励みになります!ぜひまた読んでくださいね! (2020年5月13日 19時) (レス) id: 5303af059d (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 面白くて一気に読んでしまいました!笑 更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月13日 16時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいな | 作成日時:2020年5月10日 1時