大悪党になるしかない【名探偵コナン】【救済】

第二の故郷イギリスへ ページ26

途中、工藤新一とばったり出会うというとんでもない大事故は会ったものの、工藤新一が死神の能力(笑)を使われる前にさっさと退散したため、とりあえずは無事にイギリスに帰って来れた。



やっぱりイギリスの方が涼しい。飛行機から出たときの体感温度が違う。
曇り空の多い場所なのに、今日は晴れ間が見える。ちょっぴり嬉しい。



やすみつ兄ちゃんに手を引いてもらいながら、家の近くを通るバスに乗るため、バス停に向かう。



ちなみに、カツラはもうつけていない。ゼロに会う前に脱ぎ去ったっきりもうつけていない。いわゆる「ありのままで」というやつだ。……眼帯はつけてるけど！！



この世界でカラコンはまだない。だからわたしの眼帯ライフはまだまだ続く。



あ、バスが出発した。グラグラ揺られながら、手に感じるやすみつ兄ちゃんの暖かい体温にうつらうつらする。あー、あったかい……。



気付けばわたしは寝ていて、最寄駅の一つ前の駅のようだ。
やすみつ兄ちゃんの呆れた顔が眼に映る。




「やーっと起きた。ねぼすけなんだから。」




そう文句を垂れながらも起こしてくれる兄に苦笑いを零す。なんだかんだわたしに甘い兄だ。そんな兄がどうしようもなく大好き。



家について、連れていかれたのは楽器がたくさんあるところ。眠気が吹っ飛んだ。

グランドピアノがあって、クリスタルピアノもあって、バイオリンが……ってこの部屋だけで恐ろしい値段がつくんじゃ！？！？



なんてビクビクしていると左利き用のバイオリンと、右利き用のバイオリンを差し出される。え！？な、なに！？！？



そ、そんなお高いものを触れって言うの！？美香おばさん正気！？！？わたし精神年齢は20歳(笑)だけど見た目4歳でしょ！？



バイオリンと美香おばさんを交互に見てみる。なんでも祖父がかなり有名な音楽家で、バイオリンを愛用していたのだとか。ひぃぃぃぃいい！！余計に触れないでござるぅ！！



逃げることを許さないとばかりに立ちはだかる美香おばさんの前ではこんな抵抗無駄だ。右利き用のバイオリンを手に取り、そっと弓を引いてみる。



お、音がなった！？って思うけど、少しの違和感。次に左利き用のバイオリンを手に取り、スッと弓を引く。……違和感はない。つまり左利きってこと？？



そうして練習していく内に、いつのまにか日々のお勉強の中にバイオリンとピアノまで組み込まれた。


なんで音楽家って言っちゃたのぉお！？！？

赤井ィィィイ！！→←新一side

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