【沖田総悟】王子様はカフェモカがお好き。

よびかた　に ページ34

「前、呼んでくれたじゃねぇかィ」

「は、っ？」


声が微かに震えるのがわかる。にこにこと他の人から見ればなんていい笑顔なのというような笑みがずずずとものすごい圧を感じさせるものだと思ってしまう。うまく声がでないなか、するりと王子様の手が私の頬に触れる。


「なっ、なにするの…！」

「なーまーえ、呼べやィ」

「いやいや、じゃあ手を離してって」


すると、いやだと子供のように口を尖らせていうものだから、離させようとするがさすが真選組の一番隊隊長である。涼しげな顔していながら力が強い。

さすがに負けた、と思った私は意を決して声を絞り出した。王子様の目がきょとっとまるく大きく見開かれた。


「そ、うご…離してくれる？」

「っは、だ、駄目」

「ええっ…なんで？ちょっと！
　何で顔そらすの？総悟？」


ぽろり、とこぼれた言葉にさらに王子様は頭を抱えた。私もなんだか気恥ずかしくなって、良くわからないことを口走る。


「私も言ったから、総悟も言ってよ」

「はぁっ…？っしかたねぇな
　A、好きでィ」


恥ずかしそうなのに、目をしっかりあわせてくるのはずるい以外言いようがないというか。


「そ、そこまでしてって言ってない！」


まだまだ私たちは不慣れらしい。

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