じゅうきゅう ページ21
「待ってくれ」
「えっ?」
ぎゅうと手を握られる。いきなりのことに驚いてすっとんきょうな声がもれる。慌てて手を振り払おうとするものの、その人は離してくれない。
ぎろりと険しい目と目がばっちり合う。
ひ、と恐ろしさのあまり息を小さく吐く。
するとそのとたんぎゅうと握られていた手の力がゆるりと緩まる。
「す、すまない…脅かすつもりはなかった!」
私の怯えるような態度が伝わったのだろう、黒髪イケメンさんは手を荒々しく離した。
「だ、いじょうぶです…」
そういいつつも少し距離をとる。
申し訳なさそうに黒髪イケメンさんはがっくりと頭をうなだれている。なんだかこちらも申し訳なくなってその場の雰囲気を明るくするように声を出す。
「ええと…どうかしましたか?
手を握って引き留めるなんて…ふふっ」
ぽつぽつと言葉を紡ぐと、みるみる黒髪イケメンさんが「あー、」だとか「う…」とか呻き声をもらすものでおもしろくなって笑う。
「なっ!笑うなって…」
「すいません…つい、ふふふっ」
柔らかな日差しのなか、ゆったりと流れるそんな時間もいいなぁなんて思った。
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えだまめ - RURUさん» 続きが気になるだなんて、いってくださり嬉しい限りです!頑張って書きます! (2019年5月15日 19時) (レス) id: d685bda1b2 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - パスタ色さん» そう言ってもらえて嬉しいです!できる限り書いていきたいと思います! (2019年5月15日 19時) (レス) id: d685bda1b2 (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - 続きが気になります!ぜひぜひ書いて下さい! (2019年5月15日 17時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
パスタ色 - 本当に面白いです!続き書いてほしいです (2019年5月14日 17時) (レス) id: 97465d169a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えだまめ | 作成日時:2019年3月1日 22時