重いおかえりの挨拶。 ページ28
レイエスがこれまでにない声をあげて死体を転がし、馬車の後ろへ送り出した。レオナ達にとっては布を巻いていても誰だか分かるその死体。転がっていった死体は、人形のように地に全身を打たれながら巨人の足元へ向かっていった。
「ああぁ･･･。」
レイエスは脱力し、へたり込んだ。
「ありがとう、お父さん。これで巨人は遠ざけられる！全員壁まで走り抜けて！！」
後ろから声を張り上げてレオナが言うと、全員はまた速度を上げて進んだ。
ゴゴーンゴーン
駐屯兵の巨人を打つ大砲の音と、扉の開閉合図の鐘の音に迎えられ、壁内へと帰った。
門をくぐるとすぐに野次馬達が罵倒を浴びせてくる。レオナは先ほどの出来事から、この罵声に震えるサシャの耳をふさいであげながら前に進んだ。
子供の希望と尊敬のまなざしさえも痛く感じる。
「スカイウォーカー副兵長殿！娘がお世話になっております！」
男がレオナの元へ近づいてきた。サシャはもう大丈夫ですと、レオナの手を離すとコニーの元へ向かった。
「ぺトラの父です！」
目を輝かせるその男の発した名前に、レオナは心臓が絞り取られそうな痛みを感じながら無言を貫いた。
「娘が、手紙をよこしましてねいつも副兵長の書類の手伝いしながら、いろんな話を聞いてる。だとか！貴方に見込まれてリヴァイ班に入れた！とか。もう、親の気苦労もしらねぇでホントに･･･。」
そんな話もすぐに野次馬の声にかき消された。
「ぺトラをリヴァイ班に入れたのって･･･。」
「私よ。」
アルマはすぐにレオナが答えたことで心中を察し、口を閉ざした。
「スカイウォーカー副兵長！アレだけ啖呵切った後の今の感想は！！」
「今回の予算からの収穫に関して、どうお考えですか！」
「その兵の消耗からして、なにも思わないのですか！」
その質問には慣れていたが、心身の疲労に加算されるその質問は心を一層沈めた。
「おい、レオナ。」
リヴァイは寄ってくると、その野次馬やマスコミからレオナを引き剥がし、アルマとリヴァイの間に連れてきた。
「気にするな。」
リヴァイはレオナにそういうとまた前を見て足を進める。アルマも、その状況を眉を八の字にしながら見ていた。
今回の壁外遠征にかかった費用と損害は調査兵団の支持母体を失墜させるのには十分であった。
エルヴィンを含む責任者が王都に招集されると同時に、エレンの引渡しが決定した。
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
