もう一つの案。 ページ27
レオナがエルヴィンを見上げると、すぐに把握係にそう伝えた。
「お二人には人間らしい気持ちが無いのですか！！！」
「言葉を慎め！」
周りがそういうが、ディターはそれをやめようとはしない。
「巨人が来る前に行こう。」
レオナが踵を返して馬のほうへ戻った。
「･･･人間らしい気持ちなんて、あったらこんな仕事できない。」
「レオナ。」
リヴァイは態度にこそ出さないが、心配そうにレオナを見た。
「行くぞ。」
エルヴィンの声で皆馬に乗り、すぐに駆けた。
「リヴァイ、足の怪我響いてない？大丈夫？」
馬の速度が安定し始めてから、レオナはリヴァイに声をかけると大丈夫そうな顔をしていたのですぐに前を向き直った。
「レオナ！レイエスおじちゃん疲れてたから荷馬車に乗ったよ。」
「お父さんの気遣いありがとうね。」
アルマが報告すると、併走する。少し行ったところで後ろから信煙弾の音がした。後ろを見やると、赤い煙弾とニヤニヤと気持ち悪く笑う巨人が二体。
「どうする？」
アルマはすぐにレオナへ指示を仰いだ。
「平地な上に、左からも３体来てる。切りがない。」
左と後ろを交互に見ながら、レオナは２つの案を見出す。一つ目の案を言おうとした瞬間、エルヴィンが先に声をあげていった。
「そのまま壁まで走れ！」
「アルマ、リヴァイ、私と一緒に最後尾まで来て。」
「はいよ。」
「了解だ。」
前に詰めるように促しながら後列まで行くと、先ほどより距離をつめた巨人が、速度を保って追い詰めてきていた。先ほど死体がどうとかと嘆いていたディターが、イヴァンの遺体を背負ってきたついでに巨人をつれてきていたようだが、イヴァンの死体はすぐに巨人によって投げ出され、ただ巨人の引きつれ、全員を危険に晒すだけとなってしまった。
「作戦２だね。」
「なにそれ。」
レオナの声に反応するアルマ。
「･･･遺体を捨てて。」
「･･･。」
アルマはすぐに黙り込んだ。非情な選択だが、それしか生き残る方法が無い。
「本当に言ってるのか！レオナ！お前をそんな娘に育てた覚えは！！」
「早くして、お父さん！」
レオナの。娘のその怒りのこもった声にレイエスは、心臓を打ち抜かれたような気持ちになった。
「レイエス、言っただろ。レオナがどんな選択をしようと、絶望するんじゃねぇって！」
リヴァイさえも声を上げる。レイエスは瞳を揺るがせた。
「やるぞ！！」
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
