10(Kiside) ページ10
撮影の合間に少しずつ皆で情報を探す
玉と藤ヶ谷と3人での撮影を終えて楽屋に戻ると、舞祭組の4人が俺達を待ち構えていた
「見つかったよ、『はぐるま』。」
「えっ?マジ?!」
「これ見て。」
宮田が差し出したタブレットに表示されていたものは…
「…島?」
「そう。島全体が小さな町になってる。『白瑠島』町。一応東京都の島みたい。観光客もほとんどいなくて、謎に包まれた島だって…。」
「聞いた事ねぇな…」
「俺も。」
「きっとほとんどの人が知らないよ。ネットの情報もほとんどないもん。」
宮田が言う通りその島について、色々と検索してみたけれど、それ以外の情報は何一つ出て来なかった
「1日1便、船が出るみたい。」
「1便だけ?!」
「……行ってみる…?」
宮田の言葉に皆が口を閉ざす
藤ヶ谷の夢の中に出てくる女性の言葉を信じるならば、行く事を選ぶのが妥当だろう
だけど…
「危険だよ。あまりにも情報が少なすぎる。」
「そうだよ。それに…『はぐるま』がこの島を指してるって確証はないでしょ?」
確かに、ニカ千が言う通り、安易にこの島に行くのは危険すぎる
「でも…太輔の夢の中に出てくる人はどうなるの?太輔がずっと苦しむのを見てるのは辛いよ。」
横尾さんの気持ちも分かる
俺だって藤ヶ谷を助けたい
「ガヤを助けたいって気持ちは皆同じだよ。この島が彼女の言ってる『はぐるま』なら行くべきだと思う。けどさ…仕事はどうするの?」
「確かにそうだな…。今のスケジュールじゃ、7人で島に行く事は不可能に近い…」
テレビ、ラジオのレギュラーに加え、雑誌の仕事も定期的に入っている
最近じゃありがたい事に個人の仕事も増えた
夏のコンサートツアーに向けてのアルバム作りだってある
「……俺が1人で行ってくるよ。」
誰もが頭を悩ませていた時、ソファに凭れかかっていた藤ヶ谷が体を起こした
「元々は…俺1人の問題に、皆を巻き込んだ訳だし…。彼女が呼んでるのは俺なんだから…。俺一人が行けば十分だよ。」
「何言ってんの。太輔一人に行かせることなんて出来ないよ!」
横尾さんの声が大きくなる
「藤ヶ谷、1人で抱え込むなって言っただろ。第一そんな状態じゃ1人で行くのは無理だよ。」
「でも…」
皆に迷惑を掛けていると思っているんだろうか
藤ヶ谷は苦しそうに唇を噛みしめていた
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作者名:MISA | 作成日時:2015年10月1日 17時