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27(Kiside) ページ27

「……お客様。」





重い声が部屋に響く

従業員が勝手に鍵を開けること自体異常事態だ

俺達は皆で身を固めて、扉が開くのを見守った





ギッ…





ゆっくりと扉が開く

ニカと千賀がくっと俺の腕を掴んだのを感じて、俺も藤ヶ谷の腕を掴む手に力を込めた





「北山…」

「ん、大丈夫。俺を信じろ。」





勇気付けようと藤ヶ谷の顔を覗き込んだ時、青ざめた藤ヶ谷が小さく呟いた





「来るよ…」

「え?」

「たくさん…来る…」





藤ヶ谷の見つめる先に視線を移した途端、バタバタと扉からたくさんの人が駆け込んで来た

20名程の島の住人と思われる男女が俺達の前に立ち並び俺達を見下ろすと、





「お前らか、東京から来た怪しい奴らは…」





低い声で俺達を威嚇するように言葉を発した





「いきなり何ですか?これは何の騒ぎです?」





冷静にならなきゃ…

ここで俺が感情を出したら、皆を守れない





横尾さんの静かな声に、俺もグッと唇を噛みしめた





「島を荒らすな。」





言ったのは、あの食堂のオッサンだ





「この島をどうするつもりだ!」

「何の話ですか?俺達はこの島に観光に…」

「石を…」

「え…?」

「石を見付けたんだろ。」





俺達を見つめる島人達の眼は鋭い

その目に怯えるように宮田が鞄をキュッと握った





「…その鞄の中か?」





このままでは宮田が危ない

それにあの石を奪われる訳にはいかない





「何の事です?石って何ですか?」





俺はあくまでシラを切り通す事に決めた





「惚けるな!俺達は見たんだ!」

「何を?」

「お前達が、あの鳥居から石を掘り起こす所を!」

「……なら、お聞きします。あの石は…何なんですか?あなた達が、こんな事をしてまで守りたい理由は何ですか?」





賭けだった

俺達はただ導かれるままにここに来た

そして、あの石を手にした

藤ヶ谷が本当にこの石で救われるのかすら、俺達は分かっていない

何か手掛かりが欲しかった





俺の言葉に、表情を変えた島人達





「お前ら…何しにここに来た…?」

「…大切な人を守るためです。」

「宝を…奪いに来た訳じゃない…?」





島人の1人が呟いた言葉、俺達は聞き逃さなかった





「宝…?」





藤ヶ谷がそう聞き返した瞬間、





「そうだ、俺達の宝だ!その石を返せっ!」





中央の男が大声を出しながら、俺達に向かって突進してきた






.

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作者名:MISA | 作成日時:2015年10月1日 17時

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