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「なぁんでおまえはずぅっとおれをイナビキイナビキ言うんだぁ？シズマでいいっつってるのに……ほら、いっぺん呼んでみなぁ？シ・ズ・マ！な、簡単だろぉ？ほら…………あれぇ、逃げられた」
「A、おねむだなぁ？分かるぞぉ、
「
「ん〜、あまぁい菓子だなぁ？とってもうまい……ん、Aが作ったのかぁ？はーぁ！おれの為に、好きなもんまで調べて……んーなにしてもらえて、
【生い立ち】
ある早朝である、彼がある魔法族の人間から声を掛けられたのは。ふにゃと蕩けた意識の中、やけにむつかしい言葉を並べ立てるその人間の話を、適当に頷きながら聞いていた彼。気が付けばいつの間にか魔法界などと呼ばれる不可思議な炎や宙を泳ぐ水や怪しげ光が飛び交ったへんてこな場所で、魔法魔術学校への入学手続きを眺める作業をすることになっていた。その事実に卒倒しかけたのは、昼頃意識が冴えてからだった。彼が人生で一番驚いた瞬間である。
魔法族、魔法界、杖にローブに寮なんて。身に覚えのない物品が目の前に並ぶ夢にも近い光景で、あぐあぐ口を開閉しつつ首を傾げると、簡素に説明が一つ。
「君は、あの家で一度、夜中に明かりを灯す魔法を使ったね。あれが使えたということは、つまり君は僕達と同じ魔法族なんだ」
よくよく思い出してみれば、確かにそんな夢を見たこともあった。だが、夢だ。現実でそんなことできた試しはない。…………それが、本当に夢であったなら。
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