検索窓
今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:542,770 hit

-5 ページ22

zm「A?」

ゾムの声でハッと呼吸を思い出す。

zm「……A顔色悪いで?大丈夫??」

『へっ?』

zm「真っ白やで。俺が言うのもなんだけど、怪我したんやからもうちょい休んどいた方がええよ。」

そう言って私に布団をかけてくるゾム。

こんなに暗いのによく顔色なんて見えるな。
どうやら彼は良く目がきくみたいだ。


『ゾムも寝た方がいいわ。床で寝て体も疲れてるでしょう。それにゾムだって怪我もしてるんだから。私はもう大丈夫だから上の部屋に…』

zm「俺もここで寝るわ」


『え゛』

zm「え、あかん?」

『いえ、あかんじゃないわよ』


zm「あかんじゃないってなんやねん笑」


ヒヒヒと特徴的な高い声で笑うゾム。
あまりにも邪悪な笑い方につられてしまう。

『ゾム笑い声高いのね笑、ふふふっ』


zm「そんな?……A笑ってた方がエエで」

『え?なに?』


「なんもない!……笑ってんと、はよ寝よか」


ゆっくりとゾムに体を寝かされる。
ゾムもフードを外して横に転がった。
意外と長い髪。


『ねぇ、狭くない?やっぱり上の部屋で寝たら??』

zm「それでも別にいいんやけど。」






「1人だけ1階で寝るなんて、寂しいやろ?」





「だって俺、山に住んでた時、寂しかったもん。1人で寝んの。」



「だから分かんねん。寂しくないって意地張んのも。本当は寂しいのも。」







寂しくなんかない、と言おうとする。
いや、寂しくないと言わなきゃいけないし、そう思ってなきゃいけない。

じゃないと、辛いから。



「ほら、寂しいって言うてみ?A」




でも、ゾムに隠しても無駄なのかもしれない。
ゾムは私に似てるから。言っても大丈夫かもしれない。
困らせないかもしれない。
声に出してもいいのかもしれない。






『うん、寂しい。』





言葉にした途端、涙が止まらなかった。
何十年間も押し殺していた感情が一気に溢れる。
ただ、涙が止まらなかった。



ゾムは「分かるで、寂しかったなぁ…」
といって優しく抱き寄せてくれた。
細い指で私の髪を梳く。



母さんみたい…
男の彼には失礼かもしれないが、
ゾムの黄緑目で肩まで伸びた茶髪の姿は
涙目で見ると、母さんの緑の目と肩までの茶髪の姿と重なる。




心地の良い懐かしさにゆっくりと目を閉じた。









最近こんな眠りの付き方ばかりしている。
明日彼らは帰国するのだ。

1人での眠り方をまた、思い出さなくちゃ

出発の朝→←-4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (399 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
973人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 軍パロ , 我々だ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

暁郗 - え?駄作とは??え??神作の間違いでは???? (2020年11月19日 20時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とってもええお話やん(_><_) 続き楽しみしとこ♪ 応援してます!これからも頑張え!!!! (2020年10月1日 16時) (レス) id: 565863c7d8 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 椋。-ryou-さん» コメントありがとうございます!!泣いて欲しい話として書いたので、とても嬉しいです。これ以上の褒め言葉はありません…!!更新頑張ります! (2020年9月12日 23時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)
椋。-ryou-(プロフ) - ものすごく感動しています。特に「悲恋哀歌」は何度見ても涙が出ます。更新大変かもしれませんが、これからも応援しています。 (2020年9月12日 13時) (レス) id: 8b6ca01e67 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - ソノさん» 頑張ります〜!!コメントありがとうございます!!続編も誠心誠意執筆していきますのでぜひ...!! (2020年9月7日 21時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リズ | 作成日時:2020年8月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。