【wrwrd】軍人さんを拾いました 2【shp】

出発の朝 ページ23

ut side

知らない天井から始まった朝。
窓からは少し雨の匂いがする。

耳につけたままの通信機に手をやるが変わらず電波は通らない。



そうだ。あの女はどうしただろう。
ゾムが見張っているはずだが、森の中に逃げられればゾムとはいえ、追うのは大変だろう。
もっとも、彼女が森を知り尽くしているのが本当ならばの話だが。


慎重に、音を立てずに階段を降りる。
ベッドに目をやって驚いた。


ゾムが女と同じベッドに寝ている。
それもまるで恋人のようにして。


ゾムがフードを脱いで警戒を解いている。
それによく見るとゾムの体にところどころ包帯が巻いてある。ゾムが自分でやったにしてはずいぶんと綺麗に。

ゾムは警戒心が強い。
初日で警戒をとくなんて、仲間の知人であってもありえない。
自分すら、会ったばかりの時は警戒されていた。


それに、ゾムは誰かに傷を治されるのが嫌いだ。それなりに怪我している時でも自分で言わずに済ませてしまう。
仲間のしんぺい神にすら見せないほどに嫌いなのだ。



なのに、

なんでこの女は？

ショッピくんもそうだ。この女が倒れた時、いつも冷静なショッピくんがなんであんなに取り乱したのか。


ゾムもショッピくんも、女に弱かったり、騙されやすかったりする方では決してない。

だとすれば





【この女はゾムとショッピくんに何をした？】







ベッドに近寄りゾムを起こす。

ut「ゾムさーん、起きてや〜」

zm「……なんや大先生か」

ut「僕やで、ちょっとショッピくん起こして来るからその子にも声かけといてな」

zm「おっけぇ〜」

ut「ゾムさん、その子といつの間に仲良くなったん？
いやぁ流石兄貴、手が早いですのぉ」

zm「ちゃうわ！そんなんじゃないねん。
ちょっとAと喋って、仲良ぉなっただけや」

『ん、』

zm「あ、A起きた？」


ut「…まぁ、ちょっとショッピくんとこ行ってくるわ〜」

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