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「ねぇAちゃん、ちょっと良いかな?」
いかにも偉そうな雰囲気で腕を組んでいる二人のファン達。
私なんか悪いことしたかな…?
あ〜でも、いつも二人で登下校してるからな…
連れてこられたのは体育倉庫の裏だった。
「あんたさ、雅斗くんと智輝くんにチョコと手紙渡してくれた?」
え?チョコと手紙?昨日、下校のうちに渡したはず……
答えるようにこくこくと頷く。
すると、ファンのリーダーらしき人が体育倉庫の壁を叩く。
その音に思わずビクッとする。
「嘘つかないでよ!あの二人は貰ってないって言ってたよ!」
「私昨日二人に渡したよ!」
「言い訳はいらない!!」
そう言い、二人のファンは砂を私にかけ始めた。
細かい砂のせいで、目に入りそうになってしまうし、地味に痛い。
「とにかく、ちゃんと渡してよね!」
そう言い、砂を私に蹴ってその場から去っていく。
この時知ったんだ。
二人のファンは今までで一番酷いなって……
私ポツンとその場にずっと座り込んでいた。
砂を祓う気力もなかった。
今の時間は放課後で授業がなかったから良かった。
私って雅斗と智輝に近づいちゃダメなの……?
そう思いながら空をぼんやりと見つめていた。
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2020年3月25日 17時