検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:194,902 hit

人生万時塞翁が虎>>7 ページ9

海の近くにある、倉庫?の中にAたちはいた。
完全自。殺という本を読む太宰と、木箱の上で三角座りをする敦。
それと、さっきから太宰の膝の上で眠そうに欠伸をするA。

「……本当に、ここに現れるんですか?」
「本当だよ。心配はいらない。虎が現れても、私たちの敵じゃないよ。こう見えても『武装探偵社』の一員だ。ほら、A起きなよ」
「んぁ…あ、太宰 ぼくの プリン。とりゃにゃいでくだしゃいよ〜」

Aの寝言に、ぷっと笑う太宰に対して、敦は冷え汗を感じて、それどころではなかった。

「はは、凄いですね。自信のある人は。僕なんか、孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われてて______そのうえ、今日の寝床も明日の食い扶持(ぶち)も知れない身で」


《天下のどこにも、お前の居場所はありはせん____》
《この世から、消え失せるがいい》


「こんな奴が、どこで野垂れ死んだって、いや、いっそ喰われて死んだほうが____」

とネガティブな方針に進んでいく敦。
太宰は、サッと窓から見える月を見上げる。

却説(さて)____そろそろかな」

そう言った後、ガタンっと倉庫の奥の方から何かが落ちる音がした。
その音にびっくりする敦と寝ていたA。
だが、そこはシン…と静まり返っている。

「今……そこで物音が!」
「そうだね。」
「きっと奴ですよ太宰さん!」
「風で何か落ちたんだろう」

本を読みながら、厳しい顔になる太宰。

「ひ、人食い虎だ。僕を喰いに来たんだ。」
「すわりなよ。中島さん。とらさん あそこから くるわけないよ」
「ど、どうして判るんですか!」
「それは…」

パタンと本を閉じた太宰。

「そもそも変なんだよ。敦君。経営が傾いたからって、養護施設が児童を追放するかい?大昔の農村じゃないんだ。いや、そもそも経営が傾いたんなら、一人二人追放したところで、どうにもならない。半分くらい減らして、他所(よそ)の施設に移すのが筋だ」

ペラペラと敦に向かって太宰は喋り始める。

「太宰さん。何を云って______」

人生万時塞翁が虎>>8→←人生万時塞翁が虎>>6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
設定タグ:少々カゲプロ , 男主 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

霊華 - 林檎によってかわるから38kg位っすか? (2018年9月14日 16時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
セフミ - 主人公くんが、刀剣乱舞の今剣に思えてしまう。そんなボクは重症ですね (2016年8月2日 23時) (レス) id: c57fb13ef8 (このIDを非表示/違反報告)
菓海手(プロフ) - ふーか。さん» 今日の夜から更新再開します。面白いと云っていただき、ありがとうございます。 (2016年5月4日 17時) (レス) id: bf2b99e4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか。(プロフ) - お役にたてたら幸いです( ´ ▽ ` )面白かったんで、更新頑張ってください!! (2016年5月4日 17時) (レス) id: 43566f1e32 (このIDを非表示/違反報告)
菓海手(プロフ) - ふーか。さん» ぐふっ……。マジかよ……教えてくださり ありがとうございます。 (2016年5月4日 17時) (レス) id: bf2b99e4e9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:菓海手 | 作成日時:2016年4月29日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。