目指せあの頂上へ (ページ33)

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第31話ページ33

サクヤside

サクヤ「あーあ。」

どこまでも続く青空の下、俺は芝生に寝転がってあくびをした。

今日の1時間目の授業は確か、基礎魔法の筆記。
そんなつまらない授業なら出なくてもいいか、ということで、俺はこうして空を仰いでいる。

それはいいが……

サクヤ「……さすがに誰もいねえし、暇だな」

俺はそう呟き、目を閉じた。

こういうとき、嫌でも過去を思い出してしまう。

思い出すだけで吐き気がするのに。

脳裏にチラつく、あいつの顔を振り払おうと、俺は目を開けた。

サクヤ「………。なんでここにいるってわかったんだよ」

そこには、腰に手を当ててこちらを見下ろす、ライアがいた。

ライア「まあ、大体この辺かなと思いましたので。

で、あなたはこんなところでどうしてサボっているんですか？」

サクヤ「……サボってるんじゃない、出る必要のない授業を出ないことで、エネルギーを温存してるんだ」

俺は額に腕を当て、真っ白な雲を見つめた。

ライア「そんな言い訳、通じませんよ。」

サクヤ「大体俺がいたっていなくたって関係ねーだろ、ライアには。先公に言われたからって律儀に迎えに来なくても」

ライア「……先生に言われたから、だけではありません」

そのライアの呟きは小さく、一瞬なんと言ったか分からないくらいだった。

サクヤ「……は？それって、どういう……」

ライア「さあ、授業に戻りますよ。強制ですからね」

サクヤ「あっ、ちょっ、まっ」

こうして俺は、ライアに引きずられながら教室に戻った。