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明治xx年。



五稜郭。



金塊争奪戦。



男共がぶつかり合う音。銃声。血の匂い。
今までたくさん出会ってきたはずのそれらはいつもとは何かが違う気がした。

『お、おい杉元!どこだよ! 〜っ、なんだよこいつら、倒しても倒しても湧いてくるじゃねぇか!!」


一人斃してもう一人斃して…とやっても一向に減らない兵士。

俺は多すぎる第七師団の奴らによって仲間を探す余裕なんて無かった。


(くそ…っ、ここからじゃ何も見えねぇぞ、どこか…どこか高いところに…!!)


「!! 見えた、!おい!!杉元!!」


走りながら叫ぶ俺の声に相手を斃した杉元が振り返る。


がしかし。
こちらを振り返った杉元の後ろからまた別の敵が2、3人走ってくる。


(やばい、やばいぞ、このままじゃ不意打ちで杉元が、ここでやられたら絶対にマズイ、確実に後に響く、じゃあどうすれば最悪の事態を免れられるんだ、)


数秒の間にいろんなことを思考した俺は覚悟を決めて、杉元を庇いに行く。ここから走って間に合うかどうか。間に合ってくれ。



スレスレのところで敵と杉元の間に身体をねじ込む。



その瞬間。

肉に刃物が刺さる。
骨にあたる。
血が出る。
そして終いには腹に弾丸を撃ち込まれる。

(あぁ、そういえば俺はこんなに怪我をしたことは無かったかもしれない、いつも杉元がやられてばかり、)

と普段どれだけ杉元に救われているのかを実感したところで痛みが襲ってくる。

『…お前らには杉元に指一本も触れされねぇ!!!』

確実に死ぬ。そう悟った俺は最後の力を振り絞って敵に向かって行った。

敵を粗方斃したところで限界が近くなっていることに気がつく。

(あ、しまった)


視界が歪んで倒れ、地面すんでのところで杉元が抱きかかえる。

『おい、A!?お前…血塗れじゃねぇかよ、』

『うん、守られるだけじゃなくてたまには守るってのもいいもんだ』

杉元は今にも泣きそうな顔で俺を見つめている。前に俺が死んだらどうするかって聞いたらどうもしないっていう言ったくせに。

視界が暗くなってきた。”あぁ、もう終わりなんだ”とぼんやりと感じる。

『…杉元、俺はもう死ぬから。お前は白石とアシㇼパと元気にずっとヒンナヒンナして暮らせ。…分かったか?』

『待てA、いくな、おい、』

『じゃあな、また何処かで』





俺の記憶はそこで途絶えている。

二→



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ロア - 好きです!面白くて最高です! (9月20日 21時) (レス) @page2 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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