16、うわべだけのきゅーと ページ16
××
「今朝はマジでごめんね！」
女は面倒くさい生き物であることを、ケイト・ダイヤモンドは知っていた。そして女は自分の存在を忘れ去られることを何より嫌う。ネイルを変えたこと。どうして怒っているのか。気づいてくれるのを、察してくれるのを、待っている。だから、ケイトが女の存在に気がつかないはずがなかった。
「……あの、私、ずっといました」
気づかなかった。
彼女がそこにいたことに。
まず、怒らせただろうか、と、そこを心配した。姉たちを見てきたから分かるが、怒った女は手に負えない。だから早いうちにその火を消しておきたかった。とりあえず両手を合わせて謝って、下手に出ていれば大丈夫。
(───とか考えてるんだろうな……)
似ているな、と思った。
ヘラヘラと笑って誤魔化すところ。
些細なことを気にして謝るところ。
全部自分がやってきたことだから、Aにはすぐわかった。だってそれが学校という小さな箱庭で生き抜いていくための、処世術だから。
「いや〜今考えるとさ、本当に可笑しいよね。
こんな可愛い女の子をけーくんが見逃しちゃうなんて」
この男は何に怯えているのだろう。
ただの清掃員であるAのご機嫌を伺って何の得になるのだろう。それがよくわからない。Aは首を傾げた。長い黒髪が肩口から零れ落ちる。
「怯えてる？」
それは、気がつけば唇から漏れていた心からの疑問だった。ケイトは一瞬顔を歪めて、すぐに「なにが？」と困ったような笑顔を作る。
「……あ、いえ別に」
これ以上迂闊なことを言って彼の地雷を踏むのはごめんだ。本気で関わるつもりはない。そう、本気で。あ───あ、なるほど。彼もそうなのか。
「本気で関わるつもり、ないんだ」
「は、」
「なんでわざわざ謝ってきたんだろう？って思ってたけど……そういうことね。君はさ、穏便に済ませたいんだよね。表面上のみで人と仲良くしてたい。でも本当に誰かと仲良くしたいとは思ってない……違う？」
「……あは、すごい知ったような口きくじゃん」
「知ってるよ……私も同じだから」
穏便に済ませたくて、嫌われたくなくて、怒られたくなくて、蔑まれたくなくて、別に好きでもない掃除を毎日やって。
「……別に言う必要なくない？そういうの。
ちょっとは空気読もうよ〜〜」
「あ、す、すみません……」
「なにマジになってんの？冗談に決まってるじゃん！」
(情緒やば……)
**
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柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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